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海の向こうから学ぼう!大山忍のニッポンマーケター応援宣言

賢い会社はすでに知っている
「インテグレーション」が注目されるワケ


マーケティングの自動化が何をもたらすのか

 それでは、それぞれのマーケティングツールが統合(Integration)され、マーケティングが自動化されるとどのようなマーケティングが可能になるのでしょうか。Eコマースの例を挙げて見ていきましょう。

1 テスト&セグメンテーションの実施

 AとBの任意グループにランディングページの訴求メッセージのテストを行ってみると次の結果がでました。

  • Aグループは価格訴求のメッセージに対して、コンバージョンが高い
  • Bグループは新製品の商品訴求に対して、コンバージョンが高い

2 ターゲティングの実施

 テストで選別したAとBのグループを新しいセグメントグループとしてターゲティングツールに取り込み、トップページのキャンペーン枠を次のように自動的にターゲティング配信するように設定します。

  • Aグループの場合には、お得商品キャンペーンを表示
  • Bグループの場合には、新製品情報のキャンペーンを表示

 すべてのユーザーに低価格訴求を行うのではなく、定価でも購入意欲の高いユーザーに対して適切な訴求をすることにより、高い利益率を確保できるかどうかをWeb解析を使って後から検証していきます。

3 ユーザーの行動履歴を検証

 AとBのセグメントをWeb解析ツールに取り込み、それぞれのセグメントグループがどのようなサイト遷移をしているのか、特徴を分析してみます。すると、下記のような特徴が理解できました。

  • 価格訴求型のAグループは、食品カテゴリで送料無料の商品に関してはコンバージョン率が10%UPすることがわかった
  • 新製品好きのBグループは、家電カテゴリでユーザーレビューが5ポイント満点中4ポイント以上のスコアが付いている商品の詳細ページを通過すると、コンバージョン率が、ユーザーレビューなしの商品よりも15%UPすることがわかった

4 ターゲティングメールを実行

 Web解析ツールに顧客IDを取り込み、次の閲覧行動条件にマッチしたユーザーを抽出し、そのグループに対してメールを配信します。

  • Aグループ:1週間以内に今日から開始する送料無料キャンペーン対象の商品を見たAグループのユーザーに対して、送料無料キャンペーンのメールを配信する
  • Bグループ:1か月以内にプラズマTVの商品詳細ページを閲覧したBグループのユーザーに対し、ユーザーレビューの情報を含めた新製品レビューメールを送付する。

 各メールからアクセスしたユーザーの商品購入コンバージョン率を、Web解析で取得し、ターゲティングしていないメールとの比較を後に行います。

 さて、いかがでしたでしょうか。今回は、ツールの統合によるビジネス最適化の全体像・流れにフォーカスを絞り、紹介させていただきました。米国ではマーケティングの自動化の成功事例がではじめていますが、日本でもこれらを実現するツールが徐々に利用できるようになってきています。Web解析を使っても、ビジネスにどう役立つのかわからない、といった方々に、実際のマーケティングの現場で起きている状況をお伝えできたのであればうれしく思います。

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/03 10:38 https://markezine.jp/article/detail/7056

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