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海の向こうから学ぼう!大山忍のニッポンマーケター応援宣言

賢い会社はすでに知っている
「インテグレーション」が注目されるワケ


 リスティング、バナー広告、アフィリエイト、LPO…ネットを活用したマーケティング手法にはさまざまなキーワードがあり、その手法を行うためのサービスもいろいろあります。しかし、より最適な施策を行うために、いま「インテグレーション(統合)」というキーワードが海外では流行りつつあります。今回は、ツールの統合によって、マーケティングの自動化が現実になる例をご紹介していきます。【連載バックナンバー】

今年の注目キーワードは「インテグレーション」

 2月17日~20日にかけて、米国ユタ州ソルトレイクシティで開催された、Omniture Summit 2009が開催されました。約2,000人ものオンラインマーケターが一同に集まったイベントの模様はこちらの記事で紹介されていますが、今回は同イベントの中で今年のキーワードとして取り上げられた「インテグレーション(統合)」について解説していきます。

 オンラインマーケティング施策を実践する際に、さまざまなツールが必要なのはご存じのとおりですが、それぞれ個別の対策を行うのではなく、顧客の獲得~コンバージョン~顧客維持という一連の流れを想定しつつ、さまざまなツールを連携(統合)させ活用することが重要視されつつあります。そういったニーズの高まりをうけ今年のイベントではインテグレーションというキーワードにスポットが当たりました。

 さて、今回はなぜインテグレーションにスポットが当たったのか? その背景を説明しつつ、これからのオンラインマーケティングがどう変化していくのかについて触れていきたいと思います。まず、「インテグレーション」の必要性を理解するために、顧客側の目線からオンラインマーケティングを最適化するためのステップを整理していきましょう。

オンラインマーケティングを最適化させるための5つのステップ

 オムニチュアでは、オンラインマーケティングを最適化させるステップとして、「計測」「改善」「自動化」「拡張」「革新」の5つのステップがあると考えています。

最適化のための5つのステップ
最適化のための5つのステップ

計測

 計測とはWebのパフォーマンスを数値化し、見える化を実現することです。そして、計測を実践する上で大切なポイントは、「One version of truth(1種類の真実)」を実現する環境を整えることです。「One version of truth(1種類の真実)」をひとことで申し上げると「データの定義を整えること」と言いかえられるでしょう。Webの世界ではいろいろなツールでデータの取得が可能ですが、それぞれの定義は異なるケースが多いです。例えば、広告の効果測定をしたときに、媒体社のデータと、広告効果測定ツールのデータ、Web解析ツールのデータが微妙に違うことがありますが、それらはすべてデータ取得の定義が異なることが原因です。

 定義の異なるデータを比較しても、正しい判断ができないため、ひとつのツールで効果測定を集約して、同じ条件下で取得したデータに基づき現状の理解や次の判断を行うことが、オンラインマーケティング施策を試みる上での最初のステップとなります。そして、必要なデータを簡単かつタイムリーに担当者へ渡せることも重要です。

改善

 改善とは、Web解析のデータに基づきオンラインマーケティングを最適化させるアクションを行うことを指します。

 最適化アクションには「トップページのレイアウトを変更する」「ショッピングカートを改善する」「広告クリエイティブを変更する」など、さまざまな作業、つまり人的・金銭的リソースが伴いますし、社内や社外の調整も必要となります。また、そもそもWeb解析で取得したデータを分析し、Webビジネスの課題点を明確化する担当者も必要です。Web解析を導入すると、データを取得できる環境を整えたことで満足してしまうケースもありますが、“Web解析データの分析”“改善アクション”という2つのポイントを実践することで、ビジネス上の利益を得ることが可能となります。

自動化

 Web解析のデータを他のマーケティングツールと自動連携させることにより、自動的にオンラインマーケティング施策を最適化することが可能となります。また、マーケターの作業負荷の削減にもつながるため、本来フォーカスすべき仮説検証や戦略立案などを行えるようになり、人的リソースの最適化にもつながります。このステップで重要なことは、単純にツール同士を連携するのではなく、効果的に運用するためのシナリオやルールの設定などを事前に行うことです。そのため、データによる現状理解と十分なプランニングが必要となります。

拡張

 拡張とは、複数のチャネルから獲得したデータ(ログデータ/コールセンター/CRMツール/POSデータ/来場記録…)などを包括的に管理、分析し自社ビジネスに活かしていくことを指します。顧客接点を活用することで、新しいビジネスのタネを見つけだすことにもつながります。

 このような4つのプロセスを経て得られた知見があり、最後の革新のステージに至ると考えています。次に、実際に現場のマーケターたちは何を行っているのか、整理していきたいと思います。

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この記事の著者

大山 忍(オオヤマ シノブ)

米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。

2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/07/03 10:38 https://markezine.jp/article/detail/7056

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