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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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統括編集長インタビュー

毎号価格を検討、付録写真は表紙上端12センチ…
宝島社の快進撃を支える細腕敏腕マーケター


 不況の嵐が吹き荒れる中、宝島社が好調だ。同社の快進撃を支えるのは広報課長の桜田圭子氏。「マーケティング会議」「一番誌戦略」など、既成概念にとらわれない発想で新しい試みに挑戦する同氏に、そのノウハウを聞いた。

出版不況なんて関係ない!?

 深刻な経済不況による広告費の削減、止まらない活字離れ、ネット、モバイルメディアの台頭…出版各社が苦戦を強いられている。

 その状況の中、宝島社の女性誌が好調だ。「マーケティング会議」「一番誌戦略」など、ユニークな戦略を展開することで、『spring』(35万部発行)『InRed』(36万部発行)『sweet』(60万部発行)『mini』(20万部発行)など、同社の女性誌が部数を伸ばしている。特に『sweet』は2009年5月号より、46万部から60万部へと部数を増加。不況の影響を感じさせない伸びを見せている。

 この部数増について、同社のマーケティング戦略を手がける桜田氏(写真右)は自社商品をPRしていく中で、『こうすればもっと売れるのに』と思う瞬間がたびたびありました。コンテンツには自信があるので、それを売るための戦略を練り上げ地道に実行してきたことがよい結果に繋がっているのだと思います」と話す。

入社のきっかけは企業広告

 桜田氏は、もともと広告代理店に勤めていたが、何年か働く中でノウハウ以外の売りモノがない弱さを痛感し、メディアへの転職を決意。宝島社が98年から実施している企業広告の影響で、“おもしろそうな会社”というイメージを持っていたこともあり、求人を見て応募し入社にいたったという。

 「広報担当なので、もともとは会社・商品のPRを主な仕事としていました。メディア各社へ新刊を紹介しに行ったり、イベントやモバイルプロモーションの企画をしたり、販促プランを考えたり、業務は多岐にわたりますが、最近では『売るためのしくみ』をつくることが自分の仕事だと思っています。入社して8年間はずっと一人だったので、企画すればするほど自分の仕事が増えてしまうのですが、やり甲斐はあります。」と笑みをこぼす。

 日々の業務を続ける中で「マーケティングには経営の知識が必須」と感じ、早稲田大学大学院の受験を決意。入学試験までの1年間、平日毎朝、論文を1本書き上げるという課題に取り組み、見事大学院に入学。その後も、仕事と授業を平行してこなしMBAを取得した。

 「マーケティング施策を行う際には、ある程度のお金や人材などのリソースを使うことになります。成功率を高めるために、前提の知識は最低限必要だと感じ大学院への入学を決めました。また、大学院に入ったことで、メーカーの方、コンサルティング会社の方など他業種の方との人脈もでき、いろいろなお話をうかがう機会ができたことも大きな財産になっていると思います」。体系立った知識を学んだことで、同社の中にマーケティングに対する意識を浸透させることに繋がり、「一番誌戦略」やマーケティング会議の導入を進めていった。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/28 22:26 https://markezine.jp/article/detail/7208

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