本当に好きな物をモチーフに
――それでは始めにお名前と年齢を教えてください。
佐藤ねじ、26歳です。名前の由来は「ねじの佐藤」という看板を見て、佐藤とねじって合うなと思って付けました(笑)。
――ははは、ユニークな名前ですね。お仕事は何をされているのですか?
デザイン事務所で広告制作の仕事をしています。会社でもなぜかねじ君と呼ばれています(笑)。
――サイトを始めたきっかけは何ですか?
もともと展覧会などでグッズを作って発表していたのですが、個人で作るのは大変でした。ただグッズのアイデアはよく浮かぶので、アイデアだけどんどん公開するサイトって面白いなと思い、アイデアを1000個発表していくサイト「prototype1000」を立ち上げました。
――動きのある楽しいサイトですが、昔からサイト制作をしていたのですか?
いえ、今回が初めてです。今までやっていた広告制作の仕事は紙が多かったのですが、最近ウェブが増えてきました。それで、1年前くらいからウェブ制作の勉強を始めて、個人でもサイトを始めました。
――え~! 初めてとは思えないクオリティの高さですよ。ところで、ユニークなグッズのアイデアはいつ産まれるのですか?
僕、メモが大好きなんですよ。電車やファミレスでアイデアをメモして膨らませていって、最終的にグラフィックにすることが多いですね。
――具体的にアイデアをグラフィックにするまでの方法はありますか?
まず自分の好きな物、気になるモチーフを考えます。次に、その物の情報を洗い出して発展させていきます。このモチーフを選んだら面白そうだな、ではなく本当に好きな物を選ぶことを大切にしています。
例えば『大仏レジャーシート』は、まず好きな大仏について詳しく調べました。そこで大仏(如来)の偉大さを知り、その偉大さを表現するものとして、「大仏の手」をモチーフにしようと考えました。そして「大仏の手」の大きさを表現するためには、人が乗れるグッズがよかったので、レジャーシートと組み合わせました。
――佐藤さんならではの発想法があるのですね。このアイデアも素敵です、『世界地図』。


この作品はハンバーガー屋で思いついたんです。友達とハンバーガーやポテトを食べているときに、トレーに敷いてある紙に油が落ちて、シミになったんです。そのシミを見て、何かグッズにできないかと膨らませていったのが世界地図です。おねしょを世界地図に例える表現も、かわいくて昔から好きだったんですよ。
――え~! 意外な所からアイデアが生まれるんですね。『野菜電池』はどう思いついたのですか?
これは、「食べるとはどういうことか」という所から発想しました。人間は食事でエネルギーを補給して生きているけど、電化製品も電気のエネルギーを補給して動いている。そういう意味で電化製品も食事をしてるなと思い、電池を食べ物の野菜に見立てました。
――なるほど。どれも面白いグッズですが、実際に商品化のオファーが来たことはありますか?