中小規模サイトが多い地方でも急成長
オーバーチュアが「スポンサードサーチ」の提供を開始してから7年。検索連動型広告の市場は拡大を続け、2008年には1,300億円を突破。2010年には2,000億円を超えると試算されている(PC向け検索連動型広告の市場規模、アウンコンサルティング調べ)。
市場における最近の大きな牽引役が、中小企業や個人事業主が運営するウェブサイトによる出稿である。地方におけるポテンシャルも高く、成功事例も多く登場しつつあることから、企業はもとより、個人事業主や自治体など各方面から強い関心を集めている。
オーバーチュア マーケティング部の河田顕治氏は、セミナーの中で、次のように地方企業の可能性について語った。
「マス広告が大きな巻き網型なら、スポンサードサーチは一本釣り型。ニッチな商品を求めている人を全国から選りすぐったり、地域を限定したサービスの利用者だけに広告を配信したりと、効率良く情報を届けることができます。特産品のような個性的な商品を扱うECサイトや地域に密着した事業を営む企業などにも、大きな成果をもたらす可能性を秘めています」
スポンサードサーチは、キーワードや広告、ランディングページの改善によって効果が高まるしくみであるため、工夫次第では全国規模の大企業と張り合うことも可能だ。大きな予算を割くことが難しい中小規模のサイト運営者にとっては、最も適した広告手法の一つと言えるだろう。
また、携帯電話向け検索連動型広告「スポンサードサーチ モバイル」や興味関心連動型広告「インタレストマッチ」が登場し、広告を配信するプラットフォームの選択の幅が広がったことも広告主の情報収集に対する意欲を高めている。PC向け検索サービス以外でもユーザーとの接点を設けることができるこれらの広告手法に関しては、まだまだ情報が少ないためか、オーバーチュアからの情報提供や広告主同士での情報交換をもとめて参加した広告担当者も多いようだ。
スポンサードサーチに対する期待と不安
インターネット広告への出稿が初めて、場合よっては、広告出稿自体も未経験であるという参加者も多いため、当然ながら、スポンサードサーチの申し込みには不安も伴う。
ここで、セミナー後に行われた相談会への参加者からの声を通じて、広告主の問題意識を紹介しよう。
【電気関係の部品販売、申し込みを検討中】
・ウェブサイトはあるが、販促・広告には手が回っていないのが実情
・スポンサードサーチが法人営業に使えるのかどうかを知りたい
・ノウハウがないので代理店に運用などを依頼したいが、どう選ぶべきかがわからない
【法務・会計系の人材紹介、利用歴7年】
・手間をかければさらに成果が出そうだが、思うように手がかけられない
・キーワード、広告の提案を受けられるアシストプランに申し込みたい
・転職情報は携帯電話で閲覧されることが多いため、スポンサードサーチ モバイルも試してみたい
【若年層向け衣料通販、利用歴3年】
・かなり成果が実感できるので、プラスαのノウハウを求めて参加した
・課題はCPA(顧客獲得単価)の圧縮。そのノウハウを知りたい
・若者向け商材のため、スポンサードサーチモバイルを申し込みたい
・インタレストマッチも試してみたい。現在、社内で検討中
【女性用美容健康グッズ通販、利用歴1年】
・やってみたら効果があったので、「早くやっていれば」と思った
・モバイルサイトの構築と同時にスポンサードサーチ モバイルを申し込む予定
・効果アップとともに手間もかかるようになってきたので、代理店への依頼も検討中
なかなか時間が割けないのが実情。アシストプランや代理店への興味も
すでにスポンサードサーチを導入している広告主からは「ある程度の効果は実感しているが、さらに成果を上げるためのノウハウがわからない。また、それを勉強するための時間を充分に持てない」という声が多く聞かれた。アシストプランやオンライン代理店制度など、オーバーチュアが最近特に注力しているサポート体制への興味はかなり強い。また、導入検討中の企業のかなりの割合が、代理店経由での申し込みを希望しているようだ。
インターネットを通じた簡単な手続きで広告を開始・運用できる点がスポンサードサーチの大きな特徴ではあるものの、やはり、疑問の解消や日々の業務へのモチベーション維持には、直接行うコミュニケーションが大きな助けになることが、参加者の熱心な様子から伺えた。
「地方でのセミナーを主催するのは初めての試みだったのですが、いつもメールでやり取りをしている広告主様がわざわざ来てくださったり、『顔が見えて安心したから』と新規のお申し込みをいただいたりなど、スポンサードサーチの後ろに『人がいる』と知っていただいたことが、オーバーチュアにとっても大変有意義だったと感じています」(オーバーチュア マーケティング部 窪田まゆみ氏)
セミナーには、広告主のほか、オンライン代理店への参画を検討している企業も参加しており、認定の要件やそのプロセスについての相談が行われた。これについては、次回の記事で紹介したい。