不満を要件に落とし込もう
このプロセスは、無料アクセス解析サービスを使っていて感じた不満を書き出し、それを要件に落とし込むというステージです。ここをしっかり作っておくことによって、要件を明確にでき、正しいツールを選ぶ精度が上がり、結果的に選定プロセスが短くなります。
既に前回の記事でリストアップの必要性をお話しました。ここでは改めて、その手法について書いていきます。
まずは、現在感じている不満をリストアップしましょう。自分自身・レポート作成者・導入担当者・分析担当者・営業をはじめさまざまな利用者および二次利用者がいます。データを活用している人にヒアリングを行い、感じている不満をまとめ質問を聞くときはヒアリング表を事前に用意して渡しておきましょう。
- 現在どういうデータを使っているのか?
- それをどれくらい頻度で出している/見ているのか?
- そのデータを出すのにどれくらいかかっているか?
- データを出している場合は、使いづらい点、もっとこうだったらよいのにと思う点はあるか?
- データを見ている場合は、他にどういうデータが見たいか? それはなぜか?
- 見たいレポートを3つあげるとしたら、どのレポートか?
- 分析にアクセス解析を使っているか?
- 使っている場合は何の分析を行っているか? それを元にサイトの改善に繋がっているか?
- 分析に使っていない、あるいは改善に使えていない場合は、何が課題になっているか?
- データをどれくらい信頼しているか? 他のデータと比べてどうか?
- サポートは十分か? 今までどういうサポートを使ったか? そのレスポンスと精度は良かったか?
他にもいろいろな質問があるかもしれません。あるいは向こうから要望を伝えてくるかもしれません。ヒアリングをする人は、質問に対する回答を記録し、重要度を見極めてください。優先順位付けの参考になります。
例えば以下のような不満が出てくるかもしれません。
- レポートの出力が遅い。とても待たされて時間の無駄。
- タグを導入した後のチェックにすごい時間がかかって困る。
- 見たいレポートをいちいちログインして出すのが面倒。メール等で定期配信できないのか。
- ツールで分からないことがあった時に、ネットで調べたりするのが面倒。どこかすぐに電話で聞ける場所は無いのか。
- サイトに導入した後に定期的にPVとUUのレポートを出しているが、分析ってどこから手をつければいいのか分からない。
これらの不満を今度は要件に落とし込みましょう。このときに気をつけないといけないのは「課題の中にはベンダーあるいは代理店で対応できないものもある」ということです。要件に落とし込むことによって、初めて有料アクセス解析サービスに求める物が明確になります。また優先順位もこの段階で決めておきましょう。