契約書とSLAの締結
契約書の確認と修正
まずは先方の契約書の中身を見せてもらいましょう。そのまま内容を気にせず判子を押してしまうと、後でいろいろ困るかもしれません。基本、先方から提示される契約書というのは、当たり前ですが、先方に有利な形で書かれています。
もちろん、自分の会社の契約書をベースに契約を交わすという方法もありますが、アクセス解析に特化した契約書を自社で作るのは難しかったりします。個人的には先方の契約書を元に、その内容を確認&修正していった方がよいかと思います。
契約書に関しては、会社の法務担当の方にも入ってもらいましょう。専門的な部分は専門家に確認してもらうのが1番です。ただしディスカウント交渉等によって得られたディスカウントの確認は必ずアクセス解析導入担当者が行いましょう。
SLAの締結
もう1つ、これはベンダーによってできる・できないはあるのですが、SLA(サービスレベルアグリーメント)の締結あるいはドキュメント化です。
ここで言うSLAは多岐にわたります。いくつか例を示すと「障害の定義」「障害発生時の連絡フロー」「障害発生時のリファンド」「問い合わせから対応までの時間」「画面レスポンスが帰ってくる時間の保証」「前日すべてのデータが翌日のいつまでに処理されるか」などがあります。
また一部内容に関しては先方が定義しているものもありますので、そちらも確認いたしましょう。特に「障害の定義」などはちゃんと決めておかないと「ユーザーから見るとデータが取得できないのに、障害ではない」といったことがおこりえる可能性もあります。
この辺はちゃんとドキュメントに落としておいた方がよいでしょう(例え「努力目標」というのが落としどころになったとしても)。こちらも、利用側にとってあまり影響ない所を時間かけて詰めることはやめましょう。必要な所だけ確保できれば、他は言質を取ったり、ドキュメントに落とし込んだりする必要はありません。無駄にベンダーに判断を迫ることはよくありません。
さて、ツールが決まってから、やらなければいけないことを2つ紹介してきました。「ディスカウント交渉」および「契約書とSLAの中身調整」です。次回の記事では選定の最後のプロセスとなる、決裁承認について触れていきます。記事公開は8/6(木)11時からとなります。数千万規模の予算に“ウン”と言わせる資料作りのノウハウを公開しますので、ぜひチェックしてください!