ディスカウント交渉
ベンダーから出てくる金額はあくまでも定価です。PV規模が少ない場合、ここから大幅なディスカウントは難しいかもしれませんが、ある程度の規模がある場合(ベンダーが通常提供しているプランを超える量のPV量の場合)は、ディスカウント交渉を行った方がよいでしょう。
ディスカウント交渉のポイントはいくつかありますが、あくまでも前提として「こういったやり方もある」ということで、必ず成功するわけではないですし、ベンダーや代理店と喧嘩別れするのが目的ではないので、過度な交渉は禁物です。
大前提として「PV規模が大きい」「ベンダーや代理店にとっての営業インパクトが大きい」、といったような、相手にとっての利点がない場合はディスカウント交渉は難しい。という事をご理解ください。
では、ポイントを紹介していきます。
PV単価のディスカウント
多くのツールはPVが増えれば増えるほどPV単価は安くなります。そのため、既にディスカウントされた状態です。ここは正直、交渉の余地が少ない部分だと思われます。また、実際サイトにどれくらいPVが来るかは当然わからないため、最終的なディスカウント額は利用後にならないと分かりません。
それよりは、PV上限を超えた場合・超えなかった場合の支払いや、プランの変更タイミングなどは事前に確認をしておきましょう。
初期費用やオプションに関して
オプションや初期費用はベンダーの利益率が高いような気がします(一概には言えませんが、ハード等の物理的なコストが発生しないためと推測)。ここはディスカウント交渉を行える余地が十分にあります。いつまでに何サイト導入するか、どれくらいのオプションを利用するかというバルク買いをお願いされる事もあるかもしれません。
社外人件費(コンサルや導入担当)
コンサル等は月単価に換算してみると高く感じることがあるかもしれません。もしベンダーがコンサルに自信があるのであれば、最初の10時間だけでも安くしてもらう等の交渉は可能かもしれません。ここはあまり無茶な交渉をしてしまうと、質が下がってしまう(=最適な人材がアサインされない)可能性があるので、他のベンダーさんや代理店と比較して落としどころを見つけてみましょう。
その他ディスカウント項目
「一括契約(年間あるいは複数年契約)」「プレスリリースやセミナー講演等のマーケティング協力」「事例共有」「他社ツールからのリプレイスでの導入」などもディスカウントの条件として交渉できる場合があります。
落としどころと優先順位はしっかり決めておこう
基本的には、契約する前提でのディスカウント交渉になります(あまりにも料金が折り合わない場合は仕方ないですが)。そのため、これら交渉を行う場合は、以下の点を意識し、譲れるポイントと譲れないポイント及び優先順位を明確にしておきましょう。
- その交渉によって実際にいくらくらいのディスカウントが得られるのか
- それによってベンダーから提供されるサービスの質は下がらないか
- ディスカウントの結果増える運用コストや手間は無いか(請求書のやりとりが飛躍的に増える等)
ポイントは無理矢理ディスカウントを迫るということではなく、「ちゃんとした理由を元に値引きを行ってもらう」ことです。ベンダーあるいは代理店の営業担当は、その内容を上司に説明する必要があります。その人のために、一緒にストーリーを作るのと、最低限の理由付けを作りましょう。要求を伝えるだけではいけません。「なんとか2,000万円安くして」などはもってのほかです。ベンダーをたたいたり、いじめたりせずに、「一緒に考えましょう」という意気込みで臨むことが大切です。
また優先度が低いことに固執しないように気をつけましょう。大局を見極めることが重要です。
さて、この辺の交渉は1~2ヶ月くらいかかるかもしれません。この交渉を行っている間に、他にもやることがあります。その内容は「契約書およびSLAの中身の調整」です。