メルマガのコンテンツを見てみよう
続いて、売れているインターネットショップから発行されるメルマガを分析し、必要なコンテンツを順に洗い出してみましょう。
- タイトル(件名)
- ヘッダ
- 冒頭文
- 目次
- 商品案内・おしらせ
- 読み物(コラム、アンケート、読者投稿など)
- 編集後記
- フッター
これらのコンテンツの合間に広告が入っている場合も多いです。
さあ、いよいよ実践
では、これらのコンテンツについてひとつひとつ取り上げて、必要な内容と書き方のコツ、そして「創刊当初」「余裕が出てきたら」の2パターンに分けて実際にメルマガを作成してみます。机上の空論よりまず実践。サンプルは手近なモデルとして私のお店で発行しているメルマガ「シトロンマガジン」を利用してみます。
……堂々と自分の恥を披露することになりそうですが気にしない方向で。
シトロンマガジンは、驚いたことに2003年12月の発刊から、ほとんど「カタチ」を変更していません。創刊準備号の段階で「手間を極力減らし、必要な部分だけを執筆して長く続ける」という部分に重点を置いたため、100号以上も発行を続けることはできましたが、不親切な部分あり、マンネリな部分あり。「創刊当初」のモデルとしては今のままでも問題ありませんが、これだけ続けてきて余裕も多少は出てきているのでもっと上を目指したいところです。
では、上から順に見ていきますが、非常に長くなりますので前後編の2回に分けてお送りしていきます。今回はタイトルとヘッダ、冒頭文、目次まで。えー、本文の書き方は? などと言わずにお付き合い下さい。
タイトル(件名)
メルマガの開封率はタイトル(メールの件名)で決まると言われています。これは新着メールとしてメルマガを受信した際に、まず目につく部分だからです。
シトロンマガジンは長い間「シトロンマガジン vol.100」という形式のあっさりしたタイトルでした。創刊当初はこれでも構わないとは思います。しかし、配信もマンネリ化し、これでは開封意欲が沸いてこないということで最近「シトロンマガジン vol.116 ★SPF15って実際どうなの?★」と、コラムの内容やキャンペーンの案内を短い文章で載せるようにしてみました。
これは実際に効果があり、その翌週から売り上げが少しだけ伸びました。テキストだけのタイトルでは埋もれてしまうので、記号を使ったのも効果的だったようです。記号としては白い記号(○、◇、□など)よりも黒い記号(●、◆、■など)の方が目立つので有効。但し、件名中で連続して記号を使いすぎるとメールソフトによってはSPAMメールと見なしてしまう場合もあるようなのでご注意を。
また、タイトルを毎回「全文」書き換えてしまうのも困りもの。読者の中にはメールソフトの自動振り分け機能を使っている方もいます。タイトルの一部(「シトロンマガジン vol.」など)は必ず定型にしましょう。もちろん「こんにちは」「当選しました」「お久しぶりです」なんてSPAMまがいの件名は論外ですよ。
ヘッダ
本でいうと「表紙」に当たる部分です。
飾り罫線(記号などを並べて作ったテキストの罫線)で囲まれた部分にメルマガのタイトル・発行日・号数・URL・キャッチコピーなどが書かれているのが一般的なのですが。実は、シトロンマガジンのヘッダには「発行日・号数」が書かれていません。
これはなぜかというと非常に単純な理由なのですが、過去何年もメルマガを発行してきた経験上、慌ててメルマガを作成したときに発生するミスのワースト1位が「ヘッダの中の号数・日付を間違える」だったのです。記事を書くのに精一杯で余裕のない時期に、ヘッダの中の号数まで毎回直すのは大変だし、気をつけていてもミスは必ず起こる。だったら最初から書かなければいいじゃない、と。日付はメールの送信日時を見れば分かるし、号数も件名に書いておけばいいや、ということで省力化してしまったのです。
この方法で確かにミスはなくなりましたが、116通のメルマガすべてにおいて、冒頭20行ほどが完全に固定化されてしまいました。これではパッとメルマガを開いたときに「また同じものが来た」というマンネリ感を助長するようなもの。せっかくなので日付や号数はキチンと入れておきましょう。また、ヘッダが長すぎてその後の文章を読んでもらえなかったり、ヘッダがあまりにも派手でその後の文章に目がいかなくなることもあります。大事なのはこのあとの本文なのですから、ヘッダは短くシンプルにするのもコツです。
冒頭文
ヘッダの直下には必ず短い文章があります。購読のお礼や時候の挨拶、後半のイチオシ商品記事への誘導などが書かれているのが一般的です。
シトロンマガジンでは創刊当時にここも省力化してしまい、定型でお礼の挨拶を入れることにしてしまいました。いつ開けても、一字一句違わぬお礼。書き換えていないのが丸わかりです。こんな書きっぱなしで心のこもっていないお礼を垂れ流し続けていて良いのか。いや良くない。接客態度でいったら、人生初バイトの高校生でもできるマニュアル接客以下です。
しかもこの冒頭文というのは、読者が一番最初に目にする本文なのです。ここには当然、執筆者の人柄も滲み出てきます。この人の文章を読んでみたいなと思わせる文体・文章でそのときそのときの季節に引っかけて上手な文章が書ければよいのですが、当然ショップ店長は文章のプロではないので無理をする必要はありません。朴訥でもいいから誠実に、気持ちを込めて書きましょう。
しかし、ここの文章が長すぎるとやはり後に響きます。後述しますが、できればメルマガをパッと開いたときに、目次までは見渡してもらえるようにしたいもの。10行程度に収まるようにしましょう。
目次
目次です。……と、言ってしまえばそれまでなのですが。実はここに大きなコツがありました。それに気付くまでに私は8年かかりました(かかりすぎです)。賢明なる読者の皆さんは8年もかけずに、余裕ができ次第すぐ実践してもらいたいテクニックです。
メルマガは、単なる文字のカタマリでできています。目次といっても書籍のように「ページ数を指し示し、記事の位置を知らせる道具」という機能はまったく持ち合わせていないのです。ならばただ目次を書いたとしても、記事の順序を伝える程度の役割しか持っていません。
メルマガにおいては一般的に、記事の順序はある程度定型があり、一番上に長文のコラムが来ることもなければ、商品案内が一番最後にしかない、ということもありません。編集後記が一番最後にあることぐらい当然誰でも分かるし、3回も読めばそのメルマガの構成ぐらい覚えてしまうものです。この目次の後にはメインコンテンツたる「商品紹介・キャンペーン案内」が控えています。はっきり言って、意味のない目次ならば書かない方がマシ。さっさとキャッシュバックキャンペーンの案内でも見せてしまった方が効果は上がるでしょう。
しかし。売れているネットショップのメルマガには目次がある。これいかに?
実は、メルマガの目次にはコンテンツの順序を示す機能以外に、読者の期待度を高める効果があったのです。単に「新製品・キャンペーン情報」と書いてしまえばそれだけですが、ここにアオリ文句や誘導文を入れるのです。これにより、ずーっとスクロールしなければ読むことができない後半の記事についても、読者に興味を持って貰うことができます。「今回のメルマガはお得な情報が目白押しだなぁ」と思わせればしめたもの。開封率10%以下というメルマガ氷河期だからこそ、ここで興味を引いて、最後まで読んでくれる読者を一人でも増やしたいものです。
これはもう、論より証拠。長々と説明するより実物を見ていただいた方が早いでしょう。