日本に適したテクノロジー×リスティング広告
また岩田氏は、ライト・マネージド・サービスで新たなニーズを掘り起こすことが自動入札管理ツールの浸透につながると説く。
「広告主と代理店双方にニーズがあるはずなのですが広告主は手厚い人的サポートを期待し、代理店側は、手間と一緒にマージンが減ることに対して懸念もあります。景気が低迷し、コスト意識が高まっているタイミングでライト・マネージド・サービスを導入しておいて、景気が回復したら、通常のサービスを提供していくというシナリオも描けますので、これまで取りこぼしていた小規模の広告主に多数導入していただくという時期ではないかと思います」。
通常サービス(SEM)や純広告の販売につながると考えている

このように運用負荷の面から、リスティング広告運用の自動化は必須の流れと予測されているが、その将来像について岩田氏は以下のように指摘する。
「リスティング広告は投資効率を上げることが命題ですが、広告主の目的はさまざまです。例えば、CPA(成果一件あたりの支払額)をできるだけ下げようとすると、数が獲得できません。『CPAが300円だと5件しか獲得できなかったから、3000円にして100件獲得しましょう』というような、予算とCPAと獲得数のバランスをとる必要があります。『いま、とりあえず数を獲得したい』、『とにかくCPAを追求したい』などのニーズに対して、自動的に最適化できるツールが登場してくるのではないでしょうか」
現状では、管理者が手作業で行っている運用も、目的に従って運用ルールまで提案するツールも出来てくると予測する岩田氏。
「ルールベースで運用ロジックが整理された形のライト・マネージド・サービスを使って、わかりやすいところから自動化していく利用法が浸透していけば、ルールの提案までをツールが行うポートフォリオ型に近いツールへのニーズも高まってくると思います。この場合、最初に挙げました『ノウハウ』『作業負荷』『サポート』のうち、『ノウハウ』と『作業負荷』をツールが担い、『サポート』を代理店が提供することになり、これも『ライト・マネージド・サービス』になります」と可能性を予測する。
さて、次回の取材では既にライト・マネージド・サービスの提供をはじめているリスティング広告代理店である株式会社プルーブの運用実績についてご紹介させていただくので、ぜひ楽しみにしていただきたい。

