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MarkeZine Day 2025 Retail

モバイル・マーケティング・エッセンス

「飽きやすい」モバイルユーザーを
継続的にアクセスさせるには?

メルマガを活用して積極的なレコメンドを

 モバイルサイトの弱点の1つと言われているのが、検索・比較がしにくいという点である。最近ではモバイルでもWebサイト検索が普及したのに加え、マルチタスクやタブ機能により、複数のページを同時に開くこともできるようになった。だがユーザーの側が、現在でも単一のブラウザで1つのページを見るというスタイルが主流であることから、情報を積極的に探したり、比較したりするという行為はPCほど実施されていない。

 こうした特性が大きな影響を受けている顕著な例がECサイトである。モバイルのECサイトはPCと異なる購買動向を示すことが多く、他のメディアからの情報が購買に結びつく、ショッピングカートが活用されないなど、これまでにもそうした事例のいくつかを紹介してきた。そして今回、もう1つの大きな傾向として、メルマガの使われ方を紹介しておこう。

 モバイル専門のECサイトにおいて、メルマガは非常に重要な販促手段となっているのだが、その主な使われ方は、おおむね以下の通りである。

  1. ユーザーをメルマガ会員に登録させる
  2. 会員に対して商品のレコメンド情報をメルマガで送信
  3. メルマガ会員がレコメンド商品を購入
  4. あとは2、3を繰り返す

 つまり、テレビの情報に左右されるなど、ユーザーがWebサイト上から積極的に情報を探して購入するケースが少ないモバイルECサイトにおいては、運営側による積極的な商品のレコメンドが、ユーザーの購買動向に大きく影響しているのである。

 こうした傾向とメルマガの重要性はECサイトだけでなく、モバイルサイト全般に共通していえることでもある。ことモバイルにおいて、身近に存在する上にパーソナル性の高いメルマガの影響力はPCより大きく、有益な情報のレコメンドがユーザーをサイトへ定期的に導くのに有効な手段になるということは覚えておきたい。

▲モバイル専門ECサイトにおけるメルマガの活用事例。
メルマガ会員に対し積極的なレコメンドをすることで、会員に対して
情報を与えると共に、購買意欲を増加させている

メルマガを活用するにはターゲットの細分化を

 モバイルでメルマガを有効活用するには、ただ配信するというだけではなく、相応のコツが必要となる。絵文字や装飾メールといった表現手段も重要ではあるが、より重要なのは、パーソナル性を生かすという点である。

 これまでも何度か触れているが、モバイルはパーソナル性が強く、個人の嗜好が大きく反映されるメディアだ。メルマガにおいても、ユーザーの趣向に合わない内容が送信されてきたら見向きされない可能性が高くなる。それゆえ、なるべくユーザーの層や趣向に適した内容のメルマガを用意し、配信する必要があるのだ。

 層や趣向によってメルマガの内容を変えるという行為は、PCのサイトでもごく一般的に実施されている。だがパーソナル性がより高いモバイルにおいては、PC以上にターゲット層を細分化した方が効果が高くなる。例えば「学生」「社会人」という分け方をしているのであれば、「高校生」「大学生」「新入社員」「中堅社員」といったように、より細分化した方が確実に効果を上げやすくなる。

 もちろん先の更新の話と同様、多くの内容のメルマガを用意するとそれだけ手間がかかり、コスト増加の要因にもつながってしまう。そこでまずは、運営しているサイトがどのような層のユーザーを抱えており、彼(女)らがどのような趣味・趣向を持っているかなどを会員情報やアンケートなどから取得し、傾向をつかんだ上でターゲット細分化の方向性を探るのがいいだろう。

▲パーソナル性が高いモバイルサイトにおいては、より個人の嗜好に沿うよう、
ターゲットを細分化した方が効果が高くなる

 ここまでの内容をまとめると、以下のようになる。

  • 若年層の利用が多いモバイルサイトは“飽き”がリピートを妨げる要因となりやすい
  • “飽き”を招かないためには、サイトの内容に常に変化を与えることが大切
  • メルマガによるレコメンドは、サイトのリピートを高めるために重要となる
  • パーソナル性が強いので、メルマガもよりユーザーに適した形で細分化した方がよい

 今回紹介したものは、主にモバイルサイトを積極的に利用する層に対してアプローチする場合の話となっている。だが実は、それ以外の層に対するアプローチにおいても有効となる要素がいくつか含まれている。そこで次回は、携帯サイトを積極的に利用しない層に対するアプローチについて取り上げたいと思う。

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この記事の著者

佐野 正弘(サノ マサヒロ)

エンジニアとしてゲームや携帯コンテンツなどの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターへと転身。若者のケータイ文化からスマートフォンまで、携帯電話に関する多くの著書を手がけるほか、講演やテレビ等へのコメント等も行っている。近著に「Touch Diamond&Touch Pro 入門ガイド」(翔泳社)「ケータイで稼ぐアフィリエイト 最新情報版」(技術評論社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/08/04 10:00 https://markezine.jp/article/detail/7931

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