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村中明彦の営業いらず!売上直結の最強Web成約術

ロングテールはチャリティで使える理論である(前編) - 第5回


カネは、流通費用も在庫費用もかからない

 なぜモノは駄目だがカネならいいのか。第一に、モノには流通費用がかかるが、お金ならかからない。長岡への救援物資は10トン トラック450台で運び込まれたそうだ。流通費用が高そうだ。そんなトラックが道をふさいでいたら、一般の車にとってはさぞや迷惑であったろう。道も痛みそうだし。でも、お金なら、電子送金なので、その心配はない。

 第二にお金には「仕分けの費用と手間」がかからない。「保存費用」もかからない。お金は場所を取らないし、腐らないから。

 第三に、お金は「何にでも使える」。例えば、毛布やホッカイロをモノで送ってしまうと、余ったときは捨てる他はない。だが、お金であれば、「必要なモノを必要なだけ買う」ことが可能だ。

 最後に、お金は「地元経済の邪魔をしない」ホッカイロや食料品を「モノ」の形で送ったら、地元の商店でモノが売れなくなる。被災して苦しい商店はさらに苦しくなる。だが、お金で送れば、市が、地元の商店から、ホッカイロその他を「購入」すれば良い。お金は、地元経済を間接的に助ける。

 そして、お金は「復興を直接的にも助ける」災害が起これば、道が壊れ、建物が壊れれば、復興のために大量にお金が出ていく。そのお金はどこから工面するのか。市民税の増税? それは被災者が可哀想だ。しかし、外部から「義援金」として、大量に入れば、財政の助けとなり、被災者の助けにもなる。

 以上の理由により、「被災地の人々を気の毒に思う人は、モノを送るのではなく、銀行振込で現金を送るべきだ」と結論する。

 でもな~、被災地に現金振込か~、そんなことホントにみんなやるかな~。

人は、モノは送るが、カネは出さない

 想像してみよう。今度、どこかで災害があったとする。テレビのニュースで被災地の窮状が映し出される。ニュースキャスターが最後に義援金の振り込みを呼びかける。そして画面下に「日本赤十字では、被災地への義援金を受け付けております。

 振込先は、○○銀行 134568(普)」とテロップが出たとして、これに反応して、本当に銀行振込を行う人が何人いるかという問いであるが、正直、そこまでやる人は、モノを送る人に比べれば、あんまり多くないのではないかと。

 これがお金じゃなくて、物資だったら、送る人はいるわけですよ。ま、すっごい正直な話、押し入れに眠っている使わない毛布とか、もう着なくなった服とか、カップラーメンのあまりとか、そういうのを詰め込んで送る分には、自分の家もスッキリして気分が良いし。不要品処理のついでが人助けになるのなら一石二鳥じゃないかと。

 でも、お金となるとね…。そりゃあ、被災地の人にはお金が一番役立つってのはわかるけどさ…。でも、自分だって、そんなに貯金あるわけじゃないし、今月、苦しいし、だって、今ここで、1万円振り込んだら、飲みに行ったり、遊びにいったり、買い物したりするの、我慢しなきゃいけないじゃん。一万円あったら、あれも買える、これも買える。それを振り込んじゃうなんて…それは…ちょっと…いやだなあ。

 というわけで、被災地に義援金を「銀行振込」する人はあまりいないと予測される。人間、やっぱりカネは出しにくいものである。

 冒頭では、被災地にはモノではなくお金を送った方が良いと述べた。だが、普通の人は、モノは送ってもお金はださないという傾向だろう。では、どうすればよいのか。この問題の出口を見出すために、ちょっとまったく別のことを話題にしてみたい。

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この記事の著者

村中 明彦(ムラナカ アキヒコ)

日本唯一の「お客様の声、事例」の制作、コンサルティング会社カスタマワイズを経営。「商品の価値を本当に説明できるのは売った人ではなく買った人」を信条に、エンドユーザーにインタビューし、それを営業ツールにまとめるメソッドを確立。「事例をWeb掲載しただけで800万円成約を獲得」、「取引先の社長の前で事例を朗読しただけで3,00...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/04/10 21:03 https://markezine.jp/article/detail/811

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