開始から1年で進化を遂げた「インタレストマッチ」
インターネット上の情報は増加の一途をたどり、目的の情報を見つけるには検索サービスの活用は必要不可欠となっている。オーバーチュアでは2002年からスポンサードサーチと呼ばれる検索連動型広告を展開し、現在では大企業から中小企業まで利用が進んでいる。その状況についてオーバーチュア株式会社でマーケティングコミュニケーションズ マネージャーを務める河田氏(写真右)は「検索連動型広告の市場規模は順調に大きくなっていますが、ある程度検索連動型広告への対応が済んだ広告主の立場からすれば『ほかの対策はないのか?』と考えるようになっています」と指摘する。
そこで、同社では昨年より興味関心連動型広告「インタレストマッチ」の提供を開始している。サービス開始について河田氏に聞くと「インターネット利用者が検索に割く時間は全体の5%~6%で残りの時間はコンテンツの閲覧をしています。インタレストマッチは、ユーザーが閲覧中のページの内容や、過去に検索したり、閲覧したことのあるページの内容などを分析し『その人が興味や関心を持ちそうな広告』を表示させることが可能となるため、検索連動型広告ではアプローチしにくいユーザーへのアプローチも可能となります」
さて、サービスを開始してから1年が経過しているが、広告主からのフィードバックはどのような状況だろうか? 河田氏に聞くと「インタレストマッチへの引き合いは多くいただいています。ただ、私たち自身も世界で初めての試みなのでまだまだ試行錯誤の段階というのが正直なところです。現在進行形で進んでいるのでまだまだやることがたくさんある状態ですね」と語る。パートナーサイトも増えモバイルにも対応。オンラインでの申し込みも可能となっており、より一般的に広まりつつある状況になっていると言えるだろう。
顧客のライフタイムバリューを意識
一方、不況下で広告宣伝予算も限られてくる中、スポンサードサーチやインタレストマッチを利用する広告主の変化をどのように感じているのだろうか。
河田氏は「2003年~2004年の段階ではスポンサードサーチでサイトへ集客できるだけで満足する広告主が多かった印象がありました。しかし現在では、検索経由での購入後、さらにリピート購入する率や金額まで追跡し、顧客のライフタイムバリューを意識する広告主が増えてきました」と指摘する。
「新しい傾向としては、メーカーさんなどがWebを活用して自分たちの顧客になる方々とつながっていきたいと考え、オフラインチャネルと自社のWebサイトの繋ぎ込みに検索を使う例がでてきています。『○○で検索』は既に定着した手法ですが、検索はあくまで通り道ですから、当然呼び込んだ後の施策が大切になります。また、検索以外のところからうまくアプローチできないかというニーズも高まっているので、そういった点からインタレストマッチの利用を考える広告主も増えています」