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海外メールマーケティング最前線
レコメンド/フォローアップメールで成果を挙げる5つの成功事例

 Amazonに代表されるように、海外ではレコメンドメールなどによる販促活動が主流となりつつある。特にEC系のサイトではさまざまな施策が講じられている。今回は、海外での5つのメールマーケティング事例をピックアップして紹介。日本での状況などについて、メール配信システム「MailPublisher」を提供するエイケア・システムズの北村伊弘氏に解説していただいた。【メールマーケティング特集ページ、絶賛公開中!】

ブランド×製品カテゴリのレコメンドメールでクリック率向上

 最初に紹介する事例は、コスメ、ヘアケア、ネイルケア製品を扱うECサイト「DiscountBeautyCenter.com」。約340のブランドを取り扱い、30,000を越すアイテムを販売している。

DiscountBeautyCenter.com
DiscountBeautyCenter.com

 このサイトでは、2001年よりメールでのニュースレター配信を開始。最近では、アメリカのEメールソリューションベンダーとの共同プロジェクトで、動的にレコメンドコンテンツを配信するEメールキャンペーンを実施し、成功している。

 このキャンペーンでのメールはHTMLで作られ、テンプレートは、上からヘッダー、トップ4ブランドの製品紹介エリア、購入傾向の強い6カテゴリの売れ筋製品の紹介エリア、クーポン情報、フッターという構成になっている。

 レコメンド時の指標として、購買履歴に基づいて顧客ごとに「売上上位4ブランドの嗜好性」と「6つの製品カテゴリにおける嗜好性」を割り出した。そのうえで、「ブランド別の製品紹介エリア」と「カテゴリ別の売れ筋商品紹介エリア」のコンテンツを各人の嗜好性ごとに変え、メールを出し分けた。1度の配信で、4ブランド×6カテゴリ、計24通りのメールを配信したことになる。30,000アイテム以上を扱っているので、アイテム単位であれば、本来24通りではなく膨大な組み合わせができるが、この場合、あらかじめテストを行った結果用意した数パターンのHTMLに絞った。

 この施策で特徴的なのはヘッダー下のメインイメージにあたるクリエイティブをブランドごとに作りこんでいる点があげられる。これによって、顧客の嗜好に合わせてファーストビューが変化し、より強い印象を与えることに成功している。また、メール本文だけでなく、件名についても顧客の嗜好するブランドの要素を加えている。

 この結果、クリック率は3.4%だったものが5.8%に向上。セグメントによっては、クリック率30%にまでアップしたものもあったという。また、通常、ECサイトでは、売上アップのために値引きキャンペーンをすることが多いが、この施策により、顧客に適切な商品を提案できたため、大幅な値引きをせずに売上を向上させることができた。

POINT : 日本ではこれから、モバイルでの応用は期待大!

 このケースは、「ブランドの嗜好性」に着目した点が効いていると思います。購入履歴から「興味がありそうなカテゴリの製品」を案内するというのはよくありますが、このサイトは美容専門のECサイトということで、(女性、美容に興味があるなど)既にある程度ユーザーはセグメントされているので、製品カテゴリのみでのレコメンドというのは限界があります。

 レコメンドメールは、総合小売のように幅広い商品を扱っているサイトの方が効果的と言われていますが、このケースのように少し専門的なサイトでも、何を基準にレコメンドするか、という指標次第で十分応用可能です。特に、ブランドの嗜好性に基づいたレコメンドは、効果が高いようです。

 当社の顧客でも、HMVジャパン様をはじめとする複数のECサイトでレコメンドメールは活用されており、購入履歴によるレコメンドだけでも高い効果が出ていると聞いています。先進的な企業は実施していますが、日本ではまだまだこれからという感じです。しかし、実施してみたいという声は、多く頂いています(参考記事:店舗とEC、双方での集客に成功 パーソナライズしたメルマガで成果を挙げるHMVジャパン)。

 また、日本では特にモバイルでのメールマーケティングが活発ですが、モバイルではさらにレコメンドメールの効果は高くなるのではないのかと考えています。端末の特性上、情報量に限りがありますので、いかにファーストビューでレコメンドしていくかがPC以上に重要になってきます。デコメによるリッチな表現など、ユーザーの興味を引くための工夫はこれまでも行われてきましたが、近いうちにモバイルメールはもう一段階進化すると思います。

 配信システム側の話でいえば、例えば弊社が提供しているMailPublisherは、もともと外部のシステムとのデータ連携をした配信を得意としていますが、さらに企業側が保有する解析データとの連携をより簡単にできるようなシステムの開発を進めています。ユーザーの嗜好性の多様化、市場の発展による競争の激化、技術の進化という点から考えても、今後は、よりレコメンドメールの活用一般化が進んでいくのではないのでしょうか。

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メールをサービスの主軸に、数千パターンのカウンセリングメールを配信

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/07/16 16:23 https://markezine.jp/article/detail/8381

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