SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

MarkeZineメールマーケティング特集(AD)

海外メールマーケティング最前線
レコメンド/フォローアップメールで成果を挙げる5つの成功事例

カート離脱者へのフォローメールで高い反応を獲得

 同じく訪問者の行動履歴をベースにしたメールで効果をあげているのが、ベビー用品のECサイト「diapers.com」だ。

diapers.com
diapers.com

 このサイトでは、カート離脱者へリマインド目的のメールを送る施策が成功している。2007年のMarketingSherpaや2008年のmarketliveの調査では、50%~60%の訪問者がカートに商品を入れたものの、購入に至らずに離脱しているという結果が出た(参考リンク:InternetRetailer.com「Cart abandonment rises as online shoppers compare prices, MarketLive says」)。

 カート離脱の主な要因としては、「セッションが途切れるといったテクニカルな要因」や「競合サイトとのコスト比較のため」といったことが考えられる。サイトとしては、いつまでもカート内の情報を保持しているとデータが溜まる一方なので、カート状況の保持期間を短めに設定しているところが多いが、一方でカートに商品を入れるということは、ある程度購入意欲の高い顧客である可能性が高いため、フォローすることでの効果を期待できる。

 diapers.comの顧客の場合、育児中であるため、落ち着いてPCの前に座っていられないことも考えられる。これに対する施策として、カート離脱後の一定期間にフォローのメールを送信。メールにあるURLをクリックすると、離脱する直前の状態のページから購入プロセスを再開できるようになっている。このフォローメールは他のメールキャンペーンと比べて129%の反応があり、メール内の各URLのクリック率も24%と高い結果となっている。

 同じようにカート離脱者へのフォローアップに着目した施策を行っているケースとして、バッグ専門のECサイト「eBags」がある。このサイトでは、会員登録していない人でもメールアドレスさえ登録しておけば後から購入手続きを続けられる「Save your Cart」フォームを用意している。これにより、サイトはフォローメールを配信でき、ユーザー側には「商品を買いそびれて一から選び直し」という状態を回避できるというメリットを提供している。

eBagsの商品ページ
メールアドレスを入力すると、カートの状態を保持したURLがメールで送られてくる
eBagsの商品ページ。メールアドレスを入力すると、カートの状態を保持したURLがメールで送られてくる

POINT : サービスとしてのフォローメールを心がける、毎度の値引き注意が必要

 こうしたフォローメールでの注意点として、販促っぽい内容ではなく、あくまでも『まだ注文の処理が完了していません』といった通知サービスとして送ることが重要です。一定のデータ保持期限を設けて告知するのも、購入の後押しをするうえで必要だと思います。

 また、毎回値引きをしないという点もポイントです。毎回行うと、ユーザーが必ず値引きがあると思い、適正な価格での販売が難しくなってきますので。「たまに」の値引き案内は、クリック率を上げるには効果的だと思います。

 カート離脱者への取り組みは、企業様の方で、カート離脱者の情報をご用意していただければ、弊社のMailPublisherでも実施することが可能です。消費者の中にはメルマガを嫌がる人もいるので、サービスの一環としたフォローメールなどを使ってメールの活用範囲を広げていただければと思います。今後、こうした施策を自動化していけるかどうかが、メール配信システム開発における重要なテーマの1つになっていくと思います。

フォローメールのサンプル
「セールスと受け取られるメール」ではなく、「リマインドサービスとしてのメール」を
心がけることが重要
フォローメールのサンプル。「セールスと受け取られるメール」ではなく、「リマインドサービスとしてのメール」を心がけることが重要

MarkeZineメールマーケティング特集ページ【絶賛公開中!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
MarkeZineメールマーケティング特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/07/16 16:23 https://markezine.jp/article/detail/8381

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング