アクセス解析結果を基にしたターゲティングメールで売上アップ
近年注目を集めているのが、ユーザーの行動履歴(Click Stream)を基にしたターゲティングメールだ。Jupiter Researchの調査によると、欧米では41%のメールマーケターが行動履歴ベースのメール配信を企画しているという(参考リンク:ClickZ「Clickstream Analysis and E-Mail Marketing」)。また、同報配信型に比べて効果も出ており、9倍の売上、18倍の利益を達成しているというデータもある。
こうしたユーザーの行動履歴を基にしたターゲティングメールを実施しているサイトの1つが、釣りやキャンプ用品を扱う「Bass Pro Shops Outdoors Online」だ。
このECサイトの会員数は100万人を超えており、従来は会員登録時に選択する「ユーザーの興味があるカテゴリ」に応じてメールを配信していた。新しい試みとして、サイト内の商品を閲覧したが、購入に至らなかった人々に対し、数日後にフォローアップメールを送るという施策を行い、効果をあげている。
「単に商品を見た」というログを基にメールを送るのではなく、例えば釣具のリールなら「同じ価格帯の3種のリールを見た人に同価格帯のリールを案内する」といったロジックを組み、それにマッチしたユーザーに対して配信しているのがポイントだ。この施策により、値引きをせずに効果をアップすることに成功している。
POINT : ロジック設定が重要、国内でも一般化が進んでいます
単純にリールを1点のみ見たというだけでは、そのユーザーがそもそもリールを欲しがっているかどうかも分かりません。また、欲しがっていたとしても、いくら位のリールを探しているのかという予算感が分からないため、間違ったオファーのメールを出してしまうことも考えられます。この様に、それぞれのユーザーに対して、どんな情報を提供するかというロジック次第で、メールの効果は変わってくると思います。
システム面でいえば、この事例のように、ログ解析ツールとメール配信システムを連携させる手法は、米国では比較的多いようです。日本でも、既に情報サイトなどで取り組んでいるところもあります。