勝ち組と負け組の差が鮮明な時代に
デジタルフォレストでチーフコンサルタントを務める石井氏(写真左)は、アクセス解析データ分析を中心として数多くのWebサイトコンサルティングを手掛けている。その経験を活かし、MarkeZine Dayでは「リニューアルを成功させるための5つのコツ」と題したセッションの講演を予定している。講演の見どころの前にWebサイト運用の現状について石井氏に聞くと、
「Webサイトの運用に成功し、大きな成果を上げている企業も増えてきましたが、反対に、莫大な費用と時間をかけたのに『問い合わせが増えない』『売上が増えない』という声も多く寄せられています。Webビジネスにおいても勝ち組と負け組が見えてきたと言えるでしょう。勝ち組は効果がわかっていますから、リニューアルや改善策に積極的です。しかし、効果が出ていないところはポテンシャルが見いだせないまま右往左往しており、差が開くばかりの状況ですね」と指摘する。
さらに、近年の不況の影響で予算が限られるなかで、Webサイトの費用対効果の向上は大きな課題となっており、ユーザーはもちろんのこと、Web制作会社や広告代理店などもシビアな対応を求められているという。それではいったい、勝者と敗者の差は何から生まれているのか? 大きくはPDCAサイクルそのものに問題がある場合が多いと石井氏は強調する。
「定量的に効果を測定する目的でWeb解析が活用されていなかったり、誤って活用されていたりする傾向があります。Web解析は目的なく行っても有用な情報は引き出せませんし、PDCAサイクルを漫然と回しても効果的な改善にはつながりません。何を分析するのか、結果からどのように優先順位をどう考えるのか、さらには他の部署とどのように連携していくのか。そうした戦略があってこそWeb解析を成果向上に結びつけることができるのです」
リアルビジネスの成果のどうつなげるのかが課題
このように求められるスキルがますます高まっている状況の中、当日のセッションではECサイトとリード獲得を目的としたBtoCサイトのリニューアル成功事例を中心とした内容を予定している。
「サイトリニューアルを成功させるために、仮説と結果を改善にどのようにつなげて考えているのか、KPIの設定はどうしたのかなどを具体的に紹介していきたいと考えています。Web解析を活用する場合、やみくもに片っ端から改善しても当然効果は上がりません。効果を上げるために何を優先的に改善していくのか、定量的なデータで客観的にサイトの状態を知ることがまず必要です。当日は定量的なデータで『何を分析すべきなのか』そしてその分析結果から、『何を実施すべきなのか』を成功事例を交えつつご紹介する予定です」
また、最近の傾向としてWebサイト内の話だけではなくリアルビジネスとどう連携させていくのかという点が注目されてきている。
「KPIに基づいてWeb解析を突き詰めれば突き詰めるほど『限界を感じる』ケースも多くなってきています。その理由は、年々リアルビジネスとの連携が密になっており、もはやWebサイト内だけで効果を評価したり改善策を考えたりしても成果が出にくくなっているからです。Webサイト内のコンバージョンを把握するだけではなく、店舗ではどうなっているのか、営業には影響がどう生じているのか、生産管理とどう連携するのか、といった『リアル』での成果と『Web解析』を合わせて考えることが注目されているので、その最新動向についても少しお話したいと思っています」
毎回受講者の評価が高い石井氏のセッションは残席わずかとなる。現在、Web解析に関わっている方はもちろん、全社的な活用を考えている方もぜひご来場いただきたい(事前登録はこちらからどうぞ!)