30代で交差する、テレビとインターネットの依存度
文化庁は今年3月に国語についての世論調査を行い、全国の16歳以上の男女1954人から有効回答を得た。毎日の生活に必要な情報を「テレビ」から得ていると答えた人は8割を超え、言葉に大きな影響を与えるメディアとして「テレビ」をあげる人も9割に達している。おとろえを見せているとはいえ、その影響力は健在だ。
しかし、今回の調査では、情報源としての「テレビ」への依存度は30代を底にしたV字型、「パソコン(インターネット)」は30代を頂点とした逆V字型になっており、メディアの影響力が徐々に変化していくのは間違いない。
この結果は、仕事に追われてテレビを見ている余裕がない30代のライフスタイルを反映していることも確かで、「忙しくて本を読む時間が減っている」と答えた人の割合は30代で8割と最も多くなっている。
掲示板の言葉は「きつい」
今回、「電子メール」の利用者は6割を超えて過去最高となり、10代・20代・30代での利用率は9割を超えた。また、利用者のうち9割は「携帯電話」を利用しており、ツールとしての圧倒的な存在感を示している。
電子メールの作成にパソコンやワープロを使う人と、携帯電話を使う人で表現に違いが見られた。前者は「手紙などに用いるのと同様の表現」を使っているのに対して、後者は「手紙よりもくだけた表現」を好む傾向がある。
また、インターネットの言葉について、匿名性の高い電子掲示板などでの言葉の使い方の問題点をたずねたところ、掲示板利用者の約5割が「攻撃的できつい言葉が多い」と回答している。
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