Mac芸人憧れの、Logic Studioで音楽を作りたい! と意気込んでみたものの
連載第1回でも紹介したとおり、Final CutやAfter Effectsなどを使いこなし、ライブのオープニング映像をはじめ、ポスターやチラシ、Tシャツまで自ら作っていたという、筋金入りのMac芸人・TKOの木本さん。自ら作曲し、音楽作りまで手がけるのが夢だったというが、肝心の楽器の腕前はいかほどで?
「まあ、『アメトーーク!』ではiPod Touchのドラム担当でしたからね~。実は、Logic Studioを持ってはいるんですが、あまり使いこなせてなくて。今回体系的に学ばせていただこうかなと。今日もマジでやりたいと思ってます(笑)」
前回、iPhotoやiMovieなどのOne to One パーソナルトレーニングを受けて、最新のMacとアプリケーションのコツを覚えたばかり。果たして、独学で四苦八苦しているというLogic Studioの習得も期待通りに進むかどうか。今回の先生役であるトレーナーを見る目が熱い。
「Logic Studioは、Midiのようなデジタル音源と、歌やアコースティックギターのようなアナログ音源を両方管理することができるんですね。まずは、デモンストレーションを開いてみましょう」
トレーナーに促されて見た画面にどっきり。ずらりと100以上もの「トラック」が並び、正直どこから手をつけていいかわからないという状態だ。「トラック」とは1つの音源を管理するものであり、それらが同じ時間軸で重なることで1曲になる。
「うはあ、ドラムだけでも何本もある。シングルキックやシンバルも1つひとつトラックになってるし、全部バラバラで管理されてるんですね。けっこう複雑やなあ。これ、ゼロからつくろう思たら無茶苦茶たいへんじゃないですか」
少々ひるみがちな木本さん。たしかにLogic Studioの強みは、プロユースとしてあらゆるところをコントロールできるところにある。たとえばボーカルを何度も録音し、その中から一番いいものを選んだり、いいところだけ張り合わせたり。深みを与えたり、リズムを合わせたり。そうして調整したすべての音源を組み合わせて1曲をつくり上げていく。いわば「スタジオ」がこの中に出来上がっているわけだ。
「すごいなあ。複雑な分、プロっぽい音楽になりそうですけど、これだけ操作がややこしいとちょっとすぐには手が出しにくいですよね。僕がやりたいのって、もっと簡単なものなんです。なにかというと、コントの登場時に流す『出囃子(でばやし)』や、幕間時に流す楽しそうな音楽なんかを作れないかなと。それにはちょっと重すぎると思うんですよね」
Logic Studioのハードルの高さに、いきなり弱音を吐くMac芸人。果たして夢の「出囃子」作曲は実現するのだろうか。(次ページへ続く)
作曲から録音、編集、ミキシング、演奏までを1つで実現する、まさに「パーソナル・スタジオ」が体感できる。アンプやエフェクターなどが豊富に揃っており、複雑な編集や録音音声管理も可能だ。
これらの機能はGarageBandも搭載しているが、クオリティレベルは段違いであり、プロ仕様といえる。そのため、あまりの複雑さに、作成するものの目的によっては「too much」の印象は否めない。
Mac芸人が憧れる気持ちはわかるけれども、初心者には“宝の持ち腐れ”になる可能性も秘めているため、自分の力量に見合うツールかどうか見極めが肝心。