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検索のイマを追う! Search Engine Strategiesレポート

「Googleは寄生虫?」 過渡期を迎えたメディアビジネスの未来
【Search Engine Strategies Chicago 2009】


 世界最大の検索マーケティングカンファレンスの1つであるSearch Engine Strategiesが現地時間の12月7日から11日の日程で、小雪のちらつくシカゴのランドマークHilton Chicagoで行われている。筆者はキーマンとの情報交換とトレンド情報収集のため参加しているため、現地の様子をレポーとしていきたい。どのような議論が交わされているか、雰囲気をつかんでいただければ幸いである。

SESシカゴが開幕

 Search Engine Strategies Chicago(以下、SES Chicago)はSESアドバイザリーボードの Mike Grehan氏の挨拶によって開幕した。Mike氏は100人を超えるスピーカーを迎えたことを報告するとともに、過去10年で検索エンジンは大きな変化を遂げたことを指摘し、次の10年もまた大きな変化があるだろうと予想。その中でも特にリアルタイム検索について注目しているとした。

コンテンツエコノミーからリンクエコノミーへ

 初日のキーノートスピーチに登壇したのは『What Google would do』の著者であり、数多くのメディア企業のコンサルティングをしているJeff Jarvis氏。メディア企業を取り巻く変化についてプレゼンテーションを行った。

Jeff Jarvis氏
Jeff Jarvis氏

 Jeff氏はメディア企業のビジネスの現状について、Content Economy(コンテンツを販売することによるビジネスモデル)からLink Economy(コンテンツによってリンクを獲得し、そのトラフィックによってビジネスを行う)に変化しているとした。そのプレゼンテーションの一部始終を紹介しよう。

 まず、紹介されたのはGoogleに対してRupert Murdoch 氏が行った発言の数々だ。

 「彼らは我々の著作権を盗んでいる」

 「Googleは寄生虫、もしくは吸血鬼だ」

 などの過激な言葉が並び、まるでゴジラのようにとらえている(ちなみにMurdoch氏は先日スカイニュースのインタビューに答えて、系列のニュースサイトのコンテンツをGoogleからアクセスできなくするとも発言している)。

 それに対してのGoogleの言い分は「我々はニュース検索を通じて10億クリック、ほかのサービスを通じて30億クリックをニュースサイトに対して無料で供給しており、素晴らしいプロモーションソースであると思う」というEric Schmidt氏の発言を紹介している。

 Jeff氏はEric氏の発言に賛成であり、メディア企業を巡るインターネット上の経済は変化しているとし、それをLink Economyという概念で紹介した。Link Economyは次のような特徴を持つ。

  1. 発見されるには、検索されうる状態でなければならない
  2. 特化していることが求められる
  3. 正確さであることが求められる
  4. リンクを受けた側がトラフィックのマネタイズ手段を考えなければならない
リンクエコノミーの概念図

 1と4については重要なので少し掘り下げてみよう。

 1については「検索されないのであれば存在しないのと同じだ」という過激な言葉でも表現されている。後述するように多くの情報が存在し、パッケージではなくコンテンツ単位での情報消費がされている現状では、読者が検索エンジンや他者からのリンク経由で訪れるため検索エンジン上でのプレゼンスが特に重要となっている。

 また、4についてはトラフィックを獲得してからのマネタイズ手段を考えるのはメディア企業であり、Google に依存する点ではないというところを強調。その観点からもGoogleはメディア企業にとってゴジラのような存在ではなく、ビジネスを助けてくれる存在になるとしている。

 この2点については他のセッションのスピーカーからも繰り返し話されていることであり、特に重要な点だと言えるだろう。

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この記事の著者

小越 崇広(オゴシタカヒロ)

サイバーエージェント入社後自社メディアの営業・プランナーを兼務し、 新興メディア上でのコミュニケーション立案に携わる。2006年11月同社のネット トレンド研究室立ち上げに参画。翌1月から同社の100%出資子会社のCAテクノロ ジー に出向。同社のマーケティング局の立ち上げに奔走している。個人ブログ は今日のニッパウ。Twitterは @ogoshi

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

株式会社CAテクノロジー(カブシキカイシャ シーエーテクノロジー)

サイバーエージェントグループのSEO専業コンサルティング会社として、2007年4月設立。代表取締役社長 石井洋之。SEO戦略の立案、SEOに特化した効果測定ツールの提供から、サイト制作まで、WEBの収益向上にむけたサービスを提供。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/01/07 13:23 https://markezine.jp/article/detail/9104

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