モバイルサイト来訪者の傾向を見逃さないためのデータ解析
モバイルサイトの運営が難しいのは、ネットの先に繋がった消費者行動の類推が簡単ではないからだ。オーリック・システムズが提供しているアクセス解析ツールには、人間による携帯電話からのアクセスに限定したリアルタイム集計ができるなど、大きなアドバンテージがある。伊藤要介氏による講演は、統計データによって見えてくるサイト来訪者行動傾向が、Web戦略立案に有用であることを実感できるものになった。
モバイルマーケティングの基礎となるアクセス解析ツールを無償提供
消費者のライフサイクルにおいて携帯電話は、個人だけでなく企業とのコミュニケーションツールとなっている。モバイルビジネスにおけるマーケティングにおいて欠かせないのが、モバイルサイト解析による客観的データだ。
オーリック・システムズの伊藤要介氏がセッションの冒頭に紹介した「RTmetrics」は、マーケティングニーズに合わせた効率的な分析を可能にするツール。流れている通信データを取り込むパケットキャプチャ方式と、独自の超高速データベースの組み合わせにより、解析対象サイトにタグを貼る必要が無く、コンテンツ運用パートナーの生ログを抜き出す手間もかからない。2009年5月現在のユーザー数は370社、ホスティング事業者による顧客数を含めると発行ライセンス数は15,800以上に及ぶ。
ただ、データのキャプチャにはある程度の規模のインフラが必要になるため、導入コストもそれなりにかかる。そこで、オーリック・システムズは、2008年10月からRTmetricsの技術を基にした無料解析サービス「myRT mobile」の提供を開始している。解析したいサイトのページに、アカウント登録時に発行されるタグを貼り付ける必要があるが、広告やサービスロゴなどは一切表示されない。つまり完全無料でリアルタイムの集計・解析データ閲覧ができるわけだ。現在、約4,000社が6,000以上のサイトを登録している。