恒例の編集長コラムに今回から、ASCII.jpの『Web Professional』が合流して4サイト連動コラムとなりました。各サイトそれぞれの視点からネットマーケティングについて語っていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします。さて、2009年最後のお題は「今年印象に残ったヒト・モノ・コト」です。
ツイッターやmixiアプリの大ブレイク、マイクロソフトとヤフーの提携、アドビのオムニチュア買収などなど大きな動きがあった2009年。実際にMarkeZineの記事の中で読者の反響があったものはどれだろうかと、はてなブックマークの数をチェックしたところ、はてブの数が最も多かったのは、原田学史さんの記事「“たかが色、されど色”人とWebと色の関係」。派手な見出しではないけれど、この記事に反応してはてブをつけてくださったMarkeZine読者の皆さんの感覚に、編集部スタッフとしてうれしさを感じました。
「なぜ、引越し業者が使用するダンボールは白が多いのか」など、色と人間の心理の関係について語ったこの記事に大きな反響があったのは、「あー、そうそう!」と思える身近な切り口と、目新しい技術を使わなくても、自然と人を動かしてしまう“ツボ”のようなものが色にあることを端的に示したからだと思います。
この記事とは別に、今年は広告代理店やウェブサービスを提供している企業が脳科学や心理学に注目し、研究に力を入れているというニュースを紹介しました。
・博報堂が脳科学マーケティング実験、「ガンバ」ファンと「ハーレー」ファンの脳の違いとは?
・GoogleとWPPがオンライン広告の研究を助成、心理学・脳科学も援用
広告やマーケティングとからめて、こうした研究を行うこと自体は目新しいものではありませんが、検索エンジンに代表される膨大なデータ処理とそれを活用したターゲティング、それを突き詰めていけば「人間そのもの」を分析したいと思うのは当然です。こうした研究がすぐに大きな成果に結びつくかは未知数ですが、一定の成果が出れば、今後さまざまなウェブサービスやウェブデザインで活用されるようになるのではないでしょうか?
このように新たな手法やシステムが次々と登場するこの業界ですが、しっかりとした選択眼を持つ読者に見守られていることを再認識しつつ、MarkeZineでは、ちょっと視点を変えて、広告やオンラインマーケティングを考えられるようなヒントを提供していきたいと思っています。