まとめ:浸透しない理由はツールにあるわけではない。
まとめとして、デジタル・マーケティング関係者が集うコミュニティサイト『Econsultancy』が米国で行った「アクセス解析が会社で浸透しない理由」という調査結果を紹介します。
アクセス解析が会社で活用されず浸透しない理由は(複数回答可)
- 予算やリソース不足(45%)
- 戦略不足(31%)
- 会社や部署間の縦割り(29%)
- ツールやアクセス解析への理解不足(25%)
- データ量が多すぎる(18%)
- 上司の理解不足(18%)
- データ同士を一致させられない(17%)
- 技術チームとの折衝(17%)
- アクセス解析に対する信頼性が低い(16%)
- アクセス解析を使うスタッフの確保(12%)
- ツールの技術力が低い(9%)
見てのとおり、ツールそのものに関する問題は「ツールの技術力が低い」以外ありません。つまり、アクセス解析ツールに問題があるのではなく、会社の環境や状況がアクセス解析が浸透しない理由なのです。
ツールベンダーを擁護するわけではありませんが、ベンダーや代理店の責任はごく一部です。前編、中編でも紹介してきたように、アクセス解析をどう活用し浸透させるかは、皆さん、そして会社の手に委ねられています。
連載の最初にも書きましたが、ツール同士に違いはそれほどありません。また一部のベンダー・代理店・コンサルが提供しているサポートやコンサルティングサービスは、浸透の手助けにはなりますが自分達がイニシアチブ(先導)を取らない限りは、根付くことはありません。ぜひ、アクセス解析を社内に根付かせるための次のステップをもう一度考えてみて、行動に移してみてください。
終わりに
今回で連載は最終回となります。全30回に渡り日々の業務からさまざまな気づきを与えてくれた、弊社(株式会社リクルート)、そしてさまざまな情報交換や意見をくれた社内のメンバーそしてアクセス解析イニシアチブに関わっている皆さまに御礼申し上げます。今回の連載を通して、私自身も情報を整理して形にすることによって、新たな気づき、そしてまだ自分ができていない事がたくさんあることに気づきました。
「アクセス解析は大変だけど、需要も楽しさもあり、取り組むことによってサイトの改善に必ず繋がる」という事を、連載を通して伝えて行きたいと考えていました。「連載の中身が参考になった」というより「連載のネタを元にあるいは読んだことがきっかけで、何か行動してみました」という人が一人でも多くいることを願っています。
今後もブログやその他媒体で、アクセス解析について自分が持っている情報や考えを伝えて行きたいと思います! 今までありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします!