ファッションECのスタートトゥデイへ
最後に今後の戦略について聞くと、前原氏は「中期取扱目標額を1,000億円と設定しています。今後は、今まで扱っていなかったハイブランドやファストファッションなど、ファッションジャンルの幅を広げて、将来的にはファッションECのスタートトゥデイとなりたいと思っています。その1つとして今年1月に新たに、ラグジュアリーブランドを扱うZOZOVILLA(ゾゾヴィラ)というECサイトをオープンしたのですが、好調な滑り出しとなっています」とした。
コムデギャルソンが国内通販サイトに出店したのは初めて
(参考情報:スタートトゥデイ運営の通販サイト、コムデギャルソンが国内初出店
2010年3月4日 日経産業新聞)

海外進出は慎重に
一方、今年のトピックとして注目が集まる海外展開については「提案のある国には足を運んでいます」とのこと。しかし「日本の洋服が売れていると聞きますが、現地を視察した感じではそんなことはないと感じました。実際はごく一部の人にしか受けていないのではないでしょうか」とした。前原氏の直感では、海外進出は次期尚早と考えているのかもしれない。
加えて「日本と同じプロモーション手法でローカライズしてもそう簡単に上手くいかないでしょう。現地でゼロからブームを作る勢いが必要なのではないでしょうか」とし、海外進出への見解を示した。
終わりに、前原氏は「まだまだ業界は伸びます。弊社としても商材を増やしていくのと、新しいサービスやユーザビリティの追求を提供していきたいと思っています。また、テレビCMなどでマス媒体からの顧客が増えてきたので、さまざまな面で事業強化をしていかないといけない時期に来ていると感じています。今までと違うユーザーが集まりはじめている状況ですが、ユーザー目線という視点はしっかりと保ちつつ、成長させていきたいと考えています」と、今後の意気込みを語った。

中期目標を商品取扱高1,000億円を掲げるスタートトゥデイ。同社にとって、1,000億円という頂は高い目標と映っているのか、それとも最低限クリアしておくべきハードルと映っているのか。今後も拡大が予想されるEC市場の中でも、独特の存在感を放つ同社の今後から目が離せない。
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