【回答編】体積から考えてみる
それでは、回答です。当たり前ですが、私もこれが正解かどうかは分かりません。こうして連載をしながら、私自身も実は自頭力を磨く練習になっています。
まずは、推定するための材料からです。いろいろなアプローチの仕方がありますが、今回は体積で考えてみます。そのため、次の値を求めて、その比率から必要なマッチ棒の数を推測してみます。
- 東京タワーの体積
- マッチ棒の体積
つまり、必要なマッチ棒の本数を、次のような計算式で求めてみようというわけです。
必要なマッチ棒の本数 = 東京タワーの体積 ÷ マッチ棒の体積
東京タワーの体積
それでは、それぞれの体積について求めてみます。まずは東京タワー。
東京タワーの形状は、ざっくり言うと四角錐の形をしています。そして、かすかな算数の記憶を思い起こすと四角錐の体積は、「底面積×高さ×1/3」で求めることができます。底面積と高さが分かれば良いですね。
東京タワーの高さは、333メートルです。私は、なぜかこの数字を覚えていました。次に底面積ですが、これは見当もつきません。今回は、大まかに1辺を30メートルとして考えてみましょう。すると、東京タワーの体積は次のようになります。
30m × 30m × 333m × 1/3 = 99,900立方メートル
マッチ棒の体積
次に、マッチ棒の体積ですが、これはマッチ棒を四角柱として考えると、「底面積 × 高さ」で求めることができます。
長さを10cm、底辺が1辺1mmとすると、「10cm × 1mm × 1mm」で100ミリ立方メートルとなります。ミリ立方メートルのままでは、割り算ができないので、これをメートルに直して計算します。すると、マッチ棒の体積は次のようになります。
0.1m × 0.001m × 0.001m = 0.0000001立方メートル
さて、これまでに求めた各数値を使って計算すると、原寸大の東京タワーの模型を作るのに必要なマッチ棒の数は、次のようになりました。
99,900立方メートル ÷ 0.0000001立方メートル = 9990億本
多いですね。何せ久しぶりの数学なもので、何か間違いがあった場合には、ご容赦ください。
いかがでしたでしょうか? 次回も、練習問題を通じてフェルミ推定力を鍛えていきたいと思います。
いくつか、コメント欄に解答例を書いていただいています。ありがとうございます。誤字の指摘を修正いたしました。
また、私の解答例の漏れを指摘していただいている方もいるので、ぜひ、そちらも参考になさってください。みなさんも、他の考え方や解き方を思いついたらTwitterやコメント欄に書きこんで、頭の体操をしてみてください。コメントお待ちしております!