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モバイル・マーケティング・エッセンス

先進性と世界観を生かす、
スマートフォンのマーケティング活用

先進的な取り組みとソーシャルメディアで注目を集める

 こうした結果を見るに、スマートフォンはまだ幅広く普及していないものの、その注目度は非常に高く、PCの文化圏に近い都市部のビジネスマンから高い支持を得ているということが分かる。またiPhoneの人気が高いことから、市場全体がiPhoneの影響を大きく受けている傾向があるともいえる。

 それゆえ現時点において、スマートフォンをプロモーションやマーケティングに活用するには、従来の携帯電話に向けたモバイルサイトとは、全く異なる利用方法が求められるといえよう。携帯電話は“既に普及している”ことが大きな強みであり、飲食店のメールマガジンやクーポンに代表されるように、幅広い層に向けた活用も可能だ。だが普及が進んでいないスマートフォンに、こうした使い方は適していない。

 ではスマートフォンをどのように活用するべきだろうか? スマートフォンは現在、iPhoneに代表される先進的なユーザーインターフェースや、アプリケーションによってカスタマイズができるという自由度の高さ、海外と同じモデルが利用できるというグローバル性などによって注目を集めている部分が大きい。ゆえにこれらの特長を生かした先進的な取り組みを実施し、現在のスマートフォン所有者や、先進分野に注目しているビジネス層から支持を得る取り組みを進めるのが、最も効果的といえるだろう。

 さらにいうなら、スマートフォンのユーザー層はPCのインターネット利用者にも近いので、Twitterをはじめとしたオープン性の強いソーシャルメディアとの連動性も高く、携帯電話と比べWebサイト上からユーザーの行動が見えやすいという特徴もある。ソーシャルメディアを活用してユーザーと対話しながらサービスを展開するという取り組みも、重要になってくるといえそうだ。

GPSやカメラを備えるスマートフォンの特徴を生かし、拡張現実(AR)を広告に用いた電通の「iButterfly」。第9回モバイル広告大賞でマーケティング優秀賞を受賞している(写真は第2回「モバイル氷河期のサバイブ計画」(オーリック・システムズ主催)のプレゼンテーションより)
GPSやカメラを備えるスマートフォンの特徴を生かし、拡張現実(AR)を広告に用いた電通の「iButterfly」。第9回モバイル広告大賞でマーケティング優秀賞を受賞している(写真は第2回「モバイル氷河期のサバイブ計画」(オーリック・システムズ主催)のプレゼンテーションより)
▲GPSやカメラを備えるスマートフォンの特徴を生かし、拡張現実(AR)を広告に用いた電通の「iButterfly」。
第9回モバイル広告大賞でマーケティング優秀賞を受賞している
(写真は第2回「モバイル氷河期のサバイブ計画」(オーリック・システムズ主催)のプレゼンテーションより)

スマートフォンの世界観を意識した内容を心がける

 そうしたアプリケーションやサービスを展開する上で注意するべきは、スマートフォンの“世界観”を強く意識することである。ことiPhoneという強いファン層を有するスマートフォンが最も普及している現状においては、iPhoneのもたらすWebサイトやアプリケーションのデザイン、インターフェースの統一感などが強く求められているといえる。

 スマートフォンは携帯電話と比べ表現力や自由度が高く、アプリケーションひとつとっても見せ方には大きな差が出てくる。こだわりの強いユーザーに失望感を抱かせ、批判を浴びないためにも、世界観を崩さないということに十分留意するべきだろう。

 今回の内容をまとめると、以下のようになる。

  • スマートフォン利用者はまだ少数だが、急成長しており高い注目を集めている
  • 利用者の中心は首都圏の男性・会社員で、PCサイト利用者に近い傾向がある
  • 注目の高さと先進性、相性のよいソーシャルメディアを生かした取り組みが効果的
  • iPhoneを中心に、スマートフォンの世界観を崩さないUI・デザインが求められる

 スマートフォンが注目されているとはいえ、端末がまだ普及に至っていないことから、マーケティングに活用するなどの取り組みはまだこれからといった段階である。それゆえ現在は、試行錯誤しながらその活用方法を模索している状況のようだ。

 だがスマートフォンはビジネスマン層が強い関心を示し、所有・利用率も高いことから、携帯電話のウェブサイトと比べ企業内での理解がされやすいもといえる。こうした特性を活用し、先行して積極的な取り組みを進めてみるというのも、ひとつの手かもしれない。

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この記事の著者

佐野 正弘(サノ マサヒロ)

エンジニアとしてゲームや携帯コンテンツなどの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターへと転身。若者のケータイ文化からスマートフォンまで、携帯電話に関する多くの著書を手がけるほか、講演やテレビ等へのコメント等も行っている。近著に「Touch Diamond&Touch Pro 入門ガイド」(翔泳社)「ケータイで稼ぐアフィリエイト 最新情報版」(技術評論社)など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/09/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/10947

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