落札後の商品を手に入れるかはユーザー次第
ペニーオークションでは、商品落札後に落札価格にてPaypalで決済をして商品を購入する形式をとっている(銀行振込に対応している等運営企業により異なる場合もある)。
Paypalでの決済を行わなければペニーオークションの運営元からは商品は発送されない仕組みになっている。逆を言えば、決済をせずに落札価格で商品を購入せずにキャンセルすることもできるというわけである。
つまるところ、落札者は落札した金額で商品を購入する権利(オプション)を与えられているのである。
ちなみに、ペニーオークションで出品される商品は在庫を持って出品されているものと、AmazonなどのECサイトに在庫を委ねているものが混在しているようである。
何社かのペニーオークションを利用してみたが、ほとんどの落札商品がAmazonからギフト形式で手元に届いた。在庫を持たずamazonなどのECサイトを利用して落札者に直送するスキームはドロップシッピングの手法を応用していると言える。
運営者利益はどうなっているのか?
C(Consummer)視点からみると、入札した金額と落札価格が「商品を手に入れるためのコスト」となるため容易に想像がつくが、運営者側(B)視点での利益はどのようになっているのか気になる所だと思う。
これまでの事例を運営者側の会計処理ベースでまとめてみた。
ユーザーによるポイントの購入:1ポイント75円と仮定
ユーザーAが100ポイントを購入 (売掛金)7,500円 (預かり金)7,500円
ユーザーBが100ポイントを購入 (売掛金)7,500円 (預かり金)7,500円
ユーザーのポイント購入のクレジットカード決済
ユーザーA分のPaypalからの入金 (現預金)7,500円 (売掛金)7,500円
ユーザーB分のPaypalからの入金 (現預金)7,500円 (売掛金)7,500円
ユーザーのポイントの消費
ユーザーAが11回入札 (預かり金)825円 (売上)825円
ユーザーBが10回入札 (預かり金)750円 (売上)750円
ユーザーの落札確定
ユーザーA(落札者) (売掛金)106円 (売上)106円
ユーザーAによる落札商品のPaypalを使った入金・決済完了
(現預金)106円 (売掛金)106円
ペニーオークション運営企業による商品の仕入&発送
実売価格1,000円の商品A (仕入)1,000円 (現預金)1,000円
これらを貸借対照表と損益計算書に書き起こしてみると次のようになる。

今回の事例で言えば、運営者側利益は681円となるわけだが、この数値は分かりやすく説明するための仮の金額のため商品によって上下することは想像の通りだ。
なお、入札者が少なければポイントの消費がなされず、上記P/Lの収益部分の売上が大きく減少することになる。売上が費用の1,000円(仕入価格)を下回ることになれば、運営者側は損失を被ることになるというわけである。
最後にまとめると、ペニーオークションは端的に言ってしまえば「購入権利を共同で有償入札するサービス」と言える。安価に商品を購入できる場合もあるが、リスクがあることは忘れてはならないだろう。