ブランディングにも寄与するFAQ
飲食店などのお店などに行ったときに、「いいお店」というのはどこで判断するでしょうか。料理、お店の雰囲気、値段、などさまざまな要素があると思いますが、「接客」はかなりのウエイトを占めると思います。
どんなに美味しい料理でも、お洒落なお店でも、接客態度が悪かったりすると非常に気分が悪くなりますよね。
電話サポートも接客と同じですから、当然のことながら対応については研修を重ねて磨きをかけていると思います。ところが、FAQになるとどうでしょう。
私はHDI(ヘルプデスク協会)という団体で、FAQの格付け調査を担当しています。多くの企業のFAQをチェックさせていただいているのですが、Webサイトは非常によく作り込まれているのに、FAQとなると途端に力が抜け、見ていても問題解決はできない、書いてあることも分かりにくいなど、ストレスの溜まるページが非常に多い現実に直面します。
これでは、その企業に対するイメージが低下してしまうのは目に見えています。
FAQが見にくい、分かりにくいというだけで、「あの企業はユーザーに優しくない」「誠実さを感じない」と、そんな印象まで持たれてしまうかもしれません。逆に、FAQが充実し丁寧に解説されていれば、商品を買う前の比較検討段階のお客様にも、「お客様ときちんと向き合っている企業だな」「買ってからも安心だろう」といった信頼感を持っていただけるのです。
米国では「優秀なFAQを作成した企業を表彰する」という動きが出てきています。これはLISA(ローカリゼーション規格協会)という団体が推進しており、第1回目に表彰されたのはネットワーク機器の大手ベンダーCisco Systems社でした。CISCO Systems社はすぐに表彰された旨とそのロゴをWebサイト上に掲載し、プレスリリースを出しました。そうしたところ、さまざまなメディアで紹介されてFAQへのアクセスが一層集まる結果となったのです。こういった動きは、FAQが企業ブランディングにも寄与していくことを示唆していると思います。

それでは、「うちも早速FAQのリニューアルに力を入れなければ!」と焦っていただいたところで、次回からは具体的に「どこからどう手をつければ良いのか」を解説していこうと思います。どうぞお楽しみに。