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MarkeZine Day 2025 Autumn

現場PMから学ぶ“失敗しない”プロダクトマーケティング術

プロダクトライフサイクルを意識して練り上げる経営戦略

シェア優先か、それとも利益を優先か

 プロダクトマネージャーが取りうる戦略としては下記のようなものがあります。

  • 価格の変更(低価格化)
  • 新たな製品特徴、モデルの追加
  • 新しい市場やセグメントへの参入
  • コミュニケーションメッセージの修正(認知目的より、理解、購買目的へ転換)

 経営視点で見た場合、この成長期はシェアを優先するのか、利益を優先するのかという判断を行うことになります。そのため特に注意すべき点として、拡大していく市場規模の最終的な大きさを予測する必要があります。

 成長期を過ぎたある時点から製品の売上増加率は下がり、プロダクトライフサイクルは成熟期に入ります。この時期は通常開発期や、導入期、成長期よりも長く続きます。大多数の製品(自社、競合)が成熟した状態で市場に出しており、市場は需要と共有が逆転し、生産過多になっている場合が多いです。プロダクトマネージャーは競合他社と自社を冷静に分析し下記のような選択肢を取ります。

  • 市場を変更する
  • 製品特徴、特性を変更する
  • マーケティングミックス変更する

 市場を変更する場合には、プロダクトマネージャーは導入期から新しい市場と向き合う形になりますが、現在の市場で培ったノウハウが展開できる場合には、リスクが少ないでしょう。製品特徴、特性を変更する場合には、現在受け入れられている重要な価値を損なわないようにとくに注意します。

衰退期は「市場から撤退」も視野に

 衰退期になると売上がゼロになる場合もあれば、低レベルで安定して維持する場合もあります。売上が衰退する理由として、技術の進歩、消費者の嗜好の変化、競争の激化など様々な要因があり、売上高と利益が低下していくにつれて、市場から撤退していく企業が出てきます。プロダクトマネージャーとしては下記の2つの選択肢がありますが、プロダクトマネージャーの判断より、経営的な判断が優先する場合が多いでしょう。

  • 市場から撤退する
  • 市場を維持する

 市場を維持する場合には、売上が衰退しているため、費用削減を行って利益を上げる方針になります。市場の撤退には、顧客に製品が失敗した印象を与え、自社の将来や他の製品にまで影響を及ぼす可能性があります。

参考文献
『競争の戦略』M・E・ポーター(著)、土岐坤,他(訳) ダイヤモンド社 1982年10月
『コトラーのマーケティング入門』フィリップ・コトラー、ゲイリー・アームストロング(著)、恩蔵直人(監)、月谷真紀(訳) 株式会社ピアソン・エデュケーション 1999年11月

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この記事の著者

石原 悠(イシハラ ハルカ)

サイボウズ株式会社 プロダクトマネージャー
1977年生まれ、2001年4月にサイボウズ株式会社に入社し、プログラマーを経て新規事業の企画・立ち上げに従事。現在はフィードパスのサイボウズASPの立ち上...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/05/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/1219

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