リスティング広告での効果測定
インターネット広告はマス広告に比べ、費用対効果が明確になる特長がある。このことは、インターネット広告を出稿するにあたっての検討ポイントであり、皆さんもよくご存知だろう。リスティング広告においても効果測定は非常に重要で、ほとんどの広告主が何らかの形で効果測定を行っている。効果測定を行うことによって、効果の良いキーワード、あまり効果の期待できないキーワードなどがわかるようになる。
しかし、効果測定を行う本当の意味とは、出した広告に対して効果を測ることではなく、測ったデータから費用対効果を改善するための施策を導き出すことにある。以下に、まずは効果測定を本格的に導入していない方のために効果測定の方法を述べ、その後に効果測定を活用したリスティング広告の改善施策の見つけ方を述べる。
効果測定するには
リスティング広告における効果測定の方法は大きく下記2通りある。
- 媒体提供のコンバージョン測定タグ
Overture、Googleでは広告主のためにキーワード毎のコンバージョンを測定するためのタグを提供している。サンクスページ(コンバージョンとしたいページ)にタグを貼るだけでそれぞれのキーワードのコンバージョン数をカウントできるようになる。利点としては、費用がかからないことや、タグを貼るだけで実装が完了することだ ( また、実はキーワードが大量にある場合、それぞれのキーワードのコンバージョンを測定するのは後述のツールを使用するには少々手間がかかるため、各キーワードのコンバージョンが計測できるのも利点である )。
注意点は、Overture・Google両方のリスティング広告をクリックした後にコンバージョンするとそれぞれの媒体へコンバージョンがカウントされ、実際のコンバージョンと数字がややずれてしまう点だ ( この例ではOverture・Googleそれぞれにコンバージョンが1カウントされ、集計すると2コンバージョンになるが、実際には1コンバージョン )。また、Googleのコンバージョントラッキングを実装するとタグを貼り付けたページに"Google サイト分析"というテキストが表示されるという点もよくあがる懸念点ではある。 - 効果測定ができるツールの使用
媒体提供のコンバージョン測定タグの他に、サードパーティベンダが提供している効果測定ツール・Web解析ツールを使用すると広告の効果測定を行うことができる。どの程度の深さまで分析ができるかはツールの仕様によるが、広告経由の訪問数やコンバージョン数は殆どのツールで計測することが可能だ。詳細な仕様については割愛するが、効果測定ができるツールとしてAD EBiSが、Web解析ツールとしてSiteCatalyst、Visionalist、RTmetrics、Google Analyticsなどがあげられる。
媒体、キーワード、広告文
効果測定を実施したら、次にやることはリスティング広告の効果を改善するための案出しだ。改善案を考えるに当たり、まずはリスティング広告が何から構成されていて、それらを効果測定とどう絡めるかを考えていこう。リスティング広告は、キーワード、広告文、URL(リンク先URL、表示URL)から構成されており、これらの要素は広告主側で変更することが可能である。
リスティング広告の効果測定は細かくすればキーワード単位で測ることができるため、集計方法によっては「広告文別」「リンク先URL別(ランディングページ別)」などの切り口で効果測定ができる。つまり、広告主側で設定できる要素については効果測定ができるということである。このことを踏まえ、実際にリスティング広告の改善案の立案・施策の実施例を紹介しよう。