検索経由よりも質が高いソーシャルメディア経由の動画視聴
続いて取り上げるトレンドは、Facebookなど、ソーシャルメディアでの動画視聴がさらに活性化してきていることだ。
企業がPR等の目的で配信する動画は、企業サイト上だけで掲載していても、視聴回数はそれほど伸びない。YouTubeやFacebook、ブログなどの人が集まっている場所にも掲載し、配信チャネルを増やして視聴者コミュニティを形成するのが一般的になってきているという。
そんな企業サイト以外のチャネルの中でも、ソーシャルメディアの影響力は無視できない。友人などからの推薦を受けて動画を視聴するユーザーが多いため、長時間にわたって見てくれる傾向にある。Brightcoveがある調査会社と共同で調べてみたところ、検索エンジン経由のユーザーと比べ、動画の平均視聴時間が15%ほど長いというデータが得られたそうだ。
ただ、ソーシャルメディアで動画を配信するのなら、友人と共有する時の抵抗を減らしてあげる必要があるとワトコット氏は指摘。
「Twitterへの投稿ボタンや、FacebookのLikeボタンを動画プレーヤー上に置いて気軽に押せるようにすること。Twitterへ投稿する時のために短縮URLを使えるようにして、簡単に共有できるようにしておかないと、なかなか広まっていきません」と助言している。
画像素材ならぬ動画素材の販売ビジネスが成長中
アメリカではランディングページなどに動画を埋め込み、コンバージョン率(CVR)を向上させる施策が常套手段になってきた。今ではそこから一歩進み、普通のページにも動画を埋め込んでよりリッチな情報を伝えようとしているという。
「旅行記事でハワイが紹介されていたら、ハワイのビデオをページに載せておくと、インパクトのある記事にすることができます。雑誌で読めば言葉だけですが、オンラインに行けば動画も見られるわけです」とワトコット氏。
そんな理由から、さまざまな動画を使いたいというニーズが高まっているわけだが、一揃えの動画をすぐに用意するのは難しい。
そこでアメリカでは動画コンテンツのマーケットプレイス役を務めるサイトが登場し、動画1本100~200円ほどで転載を認めるサービスを提供しているのだとか。
ロイターやAP通信などの通信社、Getti imagesなどの画像素材サイト、WatchMojo.comという動画専門の素材サイトなど、さまざまなプレイヤーが登場してきているという。