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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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そのFAQ、ヤバイですよ!

FAQは、企画が命!
― そのFAQ、ヤバイですよ!第2回

(3)公開する情報についてターゲットを定める

 FAQとして公開する情報について、次の点について決めていきます。

  1. 範囲
    例)修理関連の情報についてはこのページには掲載しない、など
  2. 種類
    例)担当者の連絡先一覧を掲載する、など
  3. データの収集方法
    例)電話とメールの対応ログから情報を集める、など

 公開する情報は、原則的にデータを収集したうえで決定していきます。ですから、どのデータを、どう収集していくかは、事前に決めておかなければならないのです。

 また、公開する情報の種類は、環境によっても変わってきます。例えば、電化製品メーカーのFAQを作成するという場合には、「製品の説明書をダウンロードできるようにしたほうが良いのでは?」という疑問が出てきます。また、ECサイトのFAQを作成する場合には、「注文方法や商品のお届けに関するQ&Aを載せたほうが良いのでは?」という疑問が出てきます。

 このように、環境に依存する情報というのは、往々にして出てくるものです。自社の環境で特別に公開しなければならない情報がないか、確認してみましょう。

(4)デザインのポリシーを決める

 一口にデザインと言っても、様々な要素が挙げられます。形や色というビジュアル面でのデザインだけでなく、ユーザビリティやアクセシビリティを考えたコンテンツの配置もデザインと言えるでしょう。イラストや画像を使う場合には、その種類と利用ルールを決めることも必要になってきます。

 それら全てを含む「デザインのポリシー」を事前に決めておかなければ、統一感のないサイトができて、ユーザーが使い辛かったり、運営側がコンテンツを作成する際にも時間の掛かり、とても運用効率の悪いFAQになってしまう恐れがあるのです。

(5)運用ルールを決める

 FAQページは作って終わりではなく、こまめに運用していかなければなりません。比較検討するためにサイトを訪れたユーザーがFAQを見た時に、古い情報ばかりだと不信感を抱かれてしまいます。更新日付が3年前のFAQでは信用できませんよね? そうならないためには、運用時のルールを、あらかじめ決めておかなければなりません。

 例えば、次のようなものです。

  • FAQに対する問い合わせについてはどのメールアドレスに送ってもらうか?
  • 電話窓口は設けるのか?
  • コンテンツはどのくらいの頻度で作成し、誰がチェックをするのか?

 また、FAQサイトへのアクセスを分析して、その結果をもとに次のアクションを検討したりと、やるべきことは山のようにあるわけです。

 これらをあらかじめ計画しておかないと、作って終わりの「放置サイト」となってしまい、ユーザーの利用は一過性のものとなってしまうのです。

(6)行動計画を立てる

 最後に、これまでに決めたポリシーやルールを実施していくために、細かな行動計画を立てます。

 具体的には、必要となるタスクの一覧を書き出して、それぞれの担当者を決めたり、成果物としてどのようなものを作成するか、といった事を設定していきます。

 もちろん、それぞれの行動には期日を設けて、しっかりとスケジュール管理していくことが大切です。

今回のまとめ:FAQの企画時に重要な「6つの要素」
今回のまとめ:FAQの企画時に重要な「6つの要素」

 以上、FAQの企画に必要な「6つの要素」を解説してきましたが、これらは建築でいうところの基礎・土台作りになります。基礎ができていない家を、3階建てのロフト付きにしようが、どんなに素晴らしい家具を置こうが、足元はグラグラでいずれ潰れてしまうでしょう。

 そんな、耐震偽装物件のようなヤバイFAQを作らないよう、まずは今回の内容を参考に「企画」の段階から、じっくり考え直してみてはいかがでしょうか。FAQは企画が命ですからね。

 ということで、次回からは実際に「MarkeZineのFAQページ改善案」というものを編集部の方に企画してもらい、その企画に対してダメ出しをしながら「ヤバくないFAQ」に仕上げていこうと思います。ただ、MarkeZineはメディアサイトなので、一般的な企業の場合と異なり、応用が難しい部分もありますが、適宜わかりやすい具体例を出しながら補っていくつもりです。

 さて、どんなFAQページができあがるのでしょうか。どうぞお楽しみに。

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この記事の著者

原 正彦(ハラ マサヒコ)

株式会社ハウコム 新規事業開発室

トヨタ自動車で勤務後、独立系SIerであるCSKに移り、様々なお客様先企業に常駐。外資系サーバーメーカーのコールセンターではリーダーを努め、外資系プリンタメーカーでは社内SE向けのサポートやFAQ作成を実施。その後、Web系のベンチャー企業にてコンテンツ企画などを経験後...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/02/23 11:00 https://markezine.jp/article/detail/12497

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