Q. まず初めに貴社の事業内容を教えてください
ミステリーショッピングリサーチと、顧客満足度向上・従業員満足度向上のコンサルティング事業を行っています。現在、約30,000店、1,300社の調査を実施しており、調査モニター会員は全国で32万人と業界では最大手の規模となっています。
ミステリーショッピングリサーチとは、身分を明かさず、お客様として店やサービスを利用し、そのサービスレベルや売り場の状況、従業員の接客、総合的な満足などを調べる調査手法です。
クライアントは主に、飲食、美容室、宿泊施設、アパレル、スーパーといった業界になります。
Q. MS & Consultingに参画するまでのキャリアを教えてください
東京工業大学理学部卒業後、株式会社日本LCAに入社しました。LCAでは新規事業開発を担当し、飲食業向けのASP事業を立ち上げました。その後、日本LCA社内のミステリーショッピングリサーチ事業立ち上げに参画しました。
2008年5月に、ミステリーショッピングリサーチの事業部が日本LCAからMS&Consultingとして分社化し、現在は常務執行役員として従事しています。
Q. ミステリーショッピングリサーチ(以下MS)事業はどのような発想で生まれたのでしょうか?
もともとは日本LCAのコンサルティングの一環として行っており、コンサルタントが覆面で住宅展示場や飲食店などに出向き、接客・サービス・営業レベルをチェックし、点数化するという調査でした。
一般消費者の覆面調査を行うようになったのは、ちょうど10年前です。プロのコンサルタントが行う調査よりも、実際のお客様目線の調査の方がクライアントにはインパクトがありました。また、インターネットを使えばモニターも募集しやすいことから、事業化できるのではないかと考えました。
Q. モニター募集で優良なモニターを集めるのに工夫した点を教えください
リアルモニターにこだわっています。つまり、実際の調査店舗のターゲットにあった客層、ニーズを持つモニターを集めます。具体的には、モニター会員自身に興味のある調査・企画に応募してもらい、300字程度の応募理由を作文として提出してもらっています。また、アンケートにも答えてもらい、ターゲットに合っているかどうかをセグメントしながらモニターを選出しています。
Q. MS事業を軌道に乗せるにあたり、苦労した点を教えてください
最も大変だったのは、クライアントにMSを継続的に利用いただけるソリューションを開発することでした。と言うのも、MSだけではクライアントが望む改善までは成果が出ないケースもあるからです。MSというサービスを使って、サービス業の現場スタッフが顧客満足の改善施策を行う、そして成果を挙げる、というところまでをフォローするようなソリューションが求められていました。
苦労しながらも、コンサルティングとしての理論的バックボーンと、顧客満足度の高い超優良店をベンチマークして成功要因を抽出することで、コアとなるソリューションの開発に成功しました。これが、当社の提供する「HERBプログラム」というコンサルティングサービスです。
HERBプログラムは、MSを活用して、従業員感動満足を高めながら顧客感動満足を高めるプログラムです。2ヶ月に1回程度の集合研修と、店舗内ミーティングにより改善サイクルを定着させることを狙いとしています。
このソリューションを開発したことで、MSの活用レベル・成果が上げられるようになり、約8割のクライアントには継続的に利用していただけるようになりました。
Q. “超優良店”とは具体的にはどのような店舗でしょうか?
各調査では、200点満点で顧客満足やサービスレベルを算出しています。その中でも、数回の調査の平均点で180点を超える店です。比率にすると、全体の上位1~2%程度です。