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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

ビジヲタ必見!「すべらない事業」の作り方

覆面調査・ミステリーショッピングリサーチ業界最大手「MS&Consulting」の話

Q. 貴社のMS事業の競争優位性や差別化要因は何ですか?

 当社の特徴の1つ目は、業界で最大手の規模になっていること。2つ目は利用企業の継続率の高さです。その最大の要因は、MSだけでなく、それを活用するソリューションを提供できるところにあります。

 もともと調査会社ではなく、コンサルティング会社としてパート・アルバイトを含む店舗スタッフの戦力化・活性化ノウハウを構築する中で、顧客の生の声が最も効果的であることを発見し、MSを開発していったという経緯があります。他の主要な競合会社では、現場活性化のコンサルティングノウハウをベースに展開している企業がなく、競争優位を発揮できていると考えています。

 他社では、調査そのものをメインにしているところが多いようです。つまり、改善のコンサルティングまで実施する企業は、ほとんどありません。ラウンダーと呼ばれる店舗に作業員を派遣して軽作業を行うビジネスからの参入であったり、インターネットマーケティング会社からの参入などが多いです。

Q. 企業がMSを継続的に利用する必要性を教えてください

 改善活動として根付かせるためには、PDCAのサイクルを回すことが必要不可欠です。そのためには、MSを毎月、ないし2ヶ月に1回程度実施して、店舗のサービスレベルを常に可視化・数値化していくことが必要となります。目に見えないものは、マネジメントできませんから。

 また、毎月実施するクライアントが大多数ですが、それは、365日、毎日MSがお店に来るかもしれないという状態を作るためです。それにより、現場が緊張感を持って、常に最高のサービスをお客様に提供することにもつながっています。

Q. 現場にMSが来るかもしれないという緊張感は逆に業務の弊害にはならないのでしょうか?

 特に障害にはなりませんね。お客様にとって最高の状態を常に維持するのは、どの店でも目指さなければいけない姿です。

Q. MS事業を使ったことによる店舗の改善事例を教えてください

 顧客満足については、しっかりと取り組めば向上します。その結果、売上が10%以上向上した飲食店や、スタッフのモチベーションが上がり離職率が20%以上減少した企業などもあります。業績だけでなく、従業員満足度の側面での成果事例が多いのが特徴です。

Q. 貴社がクライアントに支持される理由を教えてください

 前述のとおり、活用ノウハウを提供している点とMSの品質だと考えています。MSについては、チェックだけでなく、調査員の生の気持ち、つまり「コメント情報」に力を入れており、コメント品質の高さを売りにしています。

Q. 事業をすべらせないためのコツを教えてください

 事業を立ち上げてきた経験から言わせていただくと、次のようなことだと思います。

  • ぶれない理念を持つこと
  • あきらめずに修正し続け、磨き続けること(ビジネスモデルは最初から完璧などありえないません)
  • 全社員が、自分たちが行っている事業に誇りを持てるようにすること(これができれば、事業は必ず立ち上がると思います)
  • GIVE&GIVEの精神(顧客・パートナーのメリットを優先して、Win-Winを意識すること)

Q. 今後の目標を教えてください

 「精神的に豊かな社会の創造」という弊社の理念を目指して、日本のサービス産業の発展に貢献することが経営目的です。そのために、社会に役立つソリューションを作っていきたいと思っています。経営数値の目標はありますが、それ以上に、理念にどれだけ近づけたかを最重視してやっていくつもりです。

インタビューを終えて

 事業課題において数あるソリューションから何か1つだけ実施しても、その結果だけでは全体最適において100%満足できるレベルに至らないことが往々にしてある。例えば、通販サイトならSEOだけをやって検索順位UPに執着しただけで、売上が上がるものではない。商品力、価格力、ユーザビリティなど売上を改善させるための要因は、複合的で複雑なものである。

 渋谷氏は、MSにコンサルティング要素と優良店の成功要因を合わせたプログラムを開発することで、単に調査そのものを「点」で行う競合他社と差別化し、事業を成功に導いた。運営するサービス自体の改善を重ね、クライアントの抱える課題にとって「点」から「線」で価値を提供できる複合サービスへと昇華させた好例ではないだろうか。

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この記事の著者

矢作 嘉男(株式会社ハチワン)(ヤハギ ヨシオ(カブシキガイシャ ハチワン))

株式会社ハチワン代表取締役。New Jersey City University卒。
中国人観光客向けクーポンサイトなどインバウンド媒体を運営。
2011年、中国のインターネットプロモーション事業を行う北京博洛密網絡科技有限公司と提携し、中国向けプロモーション事業を開始。本当に成果の出る中国市場向けインターネットマーケティングのみをを提供し、インバウンド向けから中国現地進出向けまで数多くの実績を持つ。
プロモーションのご相談:info@813.co.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/03/30 17:00 https://markezine.jp/article/detail/13545

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