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事例から読み解くユーザービリティ改善の勘所

【事例】SEShopで実験!コンテキストで異なるユーザーの閲覧行動を探る


SEShopで実践、アイトラッキング分析

 では、今度はアイトラッキングツールを利用したユーザーテストの例として、SE SHOPを例に見てみましょう。今回は、SEShopでDBマガジンの年間定期購読の申し込みをするというタスクに対し、ユーザーがどのようにサイトを閲覧していくのかを調査しました。調査内容を簡単にまとめると下記のようになります。

【DBマガジン年間定期購読購入プロセスのユーザーテスト】
被験者:他のECショップでの購入経験があり、SE SHOPの利用は初めてのユーザー
タスク:7月号のDBマガジンから年間定期購読の申し込みを行う。
スタートページ:月刊DBマガジン紹介ページ 
ゴールページ:お届け先入力画面

 このテストでは、タスクを「7月号のDBマガジンから年間定期購読の申し込みを行う」としました。少し意地悪なタスクかもしれませんが、テストを実施した6月中旬の時点で、年間定期購読の対象となるのは、8月号からという状況です。ですので、年間定期購読の申し込みとは別に、7月号の雑誌を購入しなければなりません。その他、購入プロセスをチェックするに当たっていくつかのチェックポイントを事前に挙げておきました。

ユーザーインタビュー概要

    【チェックポイント】
  1. 年間定期購読の申し込み時期によって購読開始号が異なることに気づくことができるか?(今月号(7月号)が年間定期購読にすでに含まれているのかを確認できるか?)
  2. 年間定期購読の申し込みと他の書籍やソフトウェアを同時に購入できないことに気づくことができるか?
  3. はじめての利用で、SEメンバーシップへの登録について知らない場合にも、購入ができるか?

 実際のユーザーテストでは、通常同じ属性のユーザー5名ほどを1グループとしてテストを実施します、今回は被験者1名のみのテスト結果をピックアップして説明します。

    【被験者のプロファイル】
  • 30代男性 
  • 職業:マーケティング関連
  • インターネットリテラシー:高
  • ECショップの利用:高
  • SEShopの利用経験:なし

 この被験者にテストに参加してもらった結果、2 同時購入についての確認や、3 はじめて利用の場合のEメール入力に達成できていないポイントが見受けられました。

テスト結果
チェックポイント  達成の有無 備考
1 購読開始号の確認  
2 同時購入についての確認    × エラー表示にも気づかず、2つ選択した商品のうち、定期購読のみしか購入プロセスまで進めていなかったことにも気づいていない。
3 はじめての利用の場合      × Eメール入力エラーでエラー表示

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ユーザー行動は既存のコンテキストにも左右される

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この記事の著者

矢野 絵美(ヤノ エミ)

中央大学大学院理工学研究科で感性工学を専攻。修了後、株式会社ミツエーリンクスに入社。現在はWebアナリストとして、アクセスログ解析やユーザビリティに関するサービスを担当している。これまでに、80社を超える大手企業サイトの診断・コンサルティングを実施している。
日本感性工学会 会員。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/07/06 12:15 https://markezine.jp/article/detail/1354

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