SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道

小西真奈美の「ぐびなま飲も!」は消費者に響いたのか?~ブログで見るTVCMの効果~


「ぐびなま飲も!」はやはり消費者に届いていた

 前述した資生堂TSUBAKIと花王アジエンスのように競合品、類似品と比較する事で、自社のキャンペーンのインパクトや他社の戦略を知る事も可能になるだろう。例えば、第3のビールを比較してみる(【図4】参照)。

【図4】 第3のビール4銘柄(ぐびなま、のどごし生、ドラフトワン、ジョッキ生)に関して1年間のエントリー数の推移のグラフ。縦軸はエントリー数、横軸は時間(週)。上のグラフは4銘柄の比較、下のグラフは、ぐびなま以外の3銘柄を比較(ぐびなまのエントリー数が多かったため、ぐびなまを外して3銘柄だけにフォーカス)。右関連語表は、6月4日週、9月17日週においてそれぞれぐびなま、ドラフトワンについて書かれたブログに関連する名詞を頻度順に並べた表。

 【図4】の青いラインはアサヒの「ぐびなま」で、2006年6月においては他3銘柄を抜きダントツにエントリー数が多いことがわかる(他の銘柄におけるピークの5倍以上の頻度)。関連語を調べてみると、この時期に発売されたアサヒぐびなまのCMに出演した小西真奈美が話題の中心となっている事が分かった(【図4】右の表、黄色のハイライト)。

 小西真奈美の「ぐびなま飲も!」が如何に消費者に響いたのかを数値化できたことになる。アサヒぐびなまの書込みは徐々に減り、最近では他の銘柄と同じ頻度で語られるようになってきているようだ。一方、調査期間内におけるサッポロドラフトワンの最大のピークは9月で、関連語表と合わせて見るとCMに出演したアベール王子が話題の中心となっている(【図4】右の表、水色のハイライト)。また餃子の話題とともに出てくる事も見てとれる(【図4】右の表、赤のハイライト)。このように頻度のグラフと関連語を合わせて見るとCMの何がどれくらい消費者に響いているかのヒントになりそうである。

 このようにブログをひとつひとつ読んでも見えなかった情報が、テキストマイニングのサービスを用いる事で時間軸に沿った質を含んだ量として把握出来るのである。上司に「この商品の反響をまとめといて」と言われた時、このように調査結果をまとめれば、上司をうならせる事ができるのではないだろうか。次以降、更に詳しくブログを用いたマーケティングリサーチに関して述べていく。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
ブログから導く消費者の生の声!クチコミデータ有効活用への道連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

磯部 拓(イソベタク)

1971年生まれ、博士号を取得後アテンション入社。現在は株式会社アテンション戦略企画部に所属し、マーケティングリサーチ、分析、レポーティングサービスを行う。また「恋愛専門ドットコムα版」の作家兼ディレクションを行い「...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/07/09 18:58 https://markezine.jp/article/detail/1370

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング