「ぐびなま飲も!」はやはり消費者に届いていた
前述した資生堂TSUBAKIと花王アジエンスのように競合品、類似品と比較する事で、自社のキャンペーンのインパクトや他社の戦略を知る事も可能になるだろう。例えば、第3のビールを比較してみる(【図4】参照)。

【図4】の青いラインはアサヒの「ぐびなま」で、2006年6月においては他3銘柄を抜きダントツにエントリー数が多いことがわかる(他の銘柄におけるピークの5倍以上の頻度)。関連語を調べてみると、この時期に発売されたアサヒぐびなまのCMに出演した小西真奈美が話題の中心となっている事が分かった(【図4】右の表、黄色のハイライト)。
小西真奈美の「ぐびなま飲も!」が如何に消費者に響いたのかを数値化できたことになる。アサヒぐびなまの書込みは徐々に減り、最近では他の銘柄と同じ頻度で語られるようになってきているようだ。一方、調査期間内におけるサッポロドラフトワンの最大のピークは9月で、関連語表と合わせて見るとCMに出演したアベール王子が話題の中心となっている(【図4】右の表、水色のハイライト)。また餃子の話題とともに出てくる事も見てとれる(【図4】右の表、赤のハイライト)。このように頻度のグラフと関連語を合わせて見るとCMの何がどれくらい消費者に響いているかのヒントになりそうである。
このようにブログをひとつひとつ読んでも見えなかった情報が、テキストマイニングのサービスを用いる事で時間軸に沿った質を含んだ量として把握出来るのである。上司に「この商品の反響をまとめといて」と言われた時、このように調査結果をまとめれば、上司をうならせる事ができるのではないだろうか。次以降、更に詳しくブログを用いたマーケティングリサーチに関して述べていく。