スマートフォンでは最適なパーソナライズ化実現
―ソーシャルメディアと並んでスマートフォンへの対応も関心度の高い事項です。この新たなデバイスの出現に対して、どのように取り組んでいったらよいのでしょうか。
各サイトへのビジター(訪問者)のスマートフォンとの関わり方は、従来のパソコンや携帯電話との関わり方と異なる点に我々は注目しています。たとえば、レストランを探すという行動があった際、スマートフォンではすぐに今晩足を運ぶレストランを検索することになります。しかし、パソコンではさまざまなメニューを調べたり、今度足を運ぶためのレストランを検索します。
スマートフォンを介するビジター情報からは、そのお客様が今、どこに存在しているのか、実際に車で走行中なのか、など具体的なお客様の情報を収集できます。これによって個々のお客様との関わり方が変わってくると思います。どういう体験をそのお客様にしていただくか。個々のお客様に最適なパーソナライズ化が可能になってきます。
ここで各種オムニチュア製品を活用することで、お客様がサイトを見る際に、実際にパソコンから訪問しているのか、モバイルデバイスから流入しているのかをまず確認できます。かつ、モバイルフォンの場合に、スマートフォンからの流入か、ガラケーと呼ばれている携帯電話からの流入かも把握可能です。
そこから、目的に応じて各種オムニチュア製品群を活用することによって、お客様のより詳細な情報が収集でき、そのお客様の状況によって、お客様へのコミュニケーションをカスタマイズできるのです。これらは理屈よりも、実際にオムニチュア製品を使っていただくことで実感していただけるはずです。
マルチデバイスに対するマーケティングが重要
―2011年の注目トピック、注目分野をご教示ください。
すでに述べてきたように、ソーシャルメディアとモバイルに注目しています。
ただし、ここで重要なのは、モバイルだけ、パソコンだけ、テレビだけではなく、テレビを見ながらパソコンでツイートしていたり、パソコン画面を見ながらモバイルデバイスで何かをやっていたり、など同時にマルチデバイスに関わっているというお客様の状況を理解する必要があります。
1つのチャネルのみのマーケティングではなく、お客様が関わっているすべてのマルチデバイスに対してマーケティングを行っていかなければならない点が非常に重要だと思っています。
アドビの3本柱の一つに「デジタルマーケティング」
―最後にアドビ システムズからのメッセージ、およびオムニチュアとの統合について。
アドビ システムズのミッションは画期的なデジタル体験を提供することです。それを実現するには、デジタルマーケティングの重要性とそのルール作りを支援していくことが必要です。デジタルマーケティングで非常に重要なことは、1. 測定(トラッキング)2. 実行(エグゼキューション)3. 最適化(オプティマイゼーション)と我々は捉えています。
オムニチュアとの統合は順調に進んでいます。初日の基調講演でシャンタヌ ナラヤンCEOも触れていたように、アドビには3つの柱があります。それは、1.コンテンツクリエーション、2,デジタルパブリッシング、3.デジタルマーケティングです。
このように、アドビ システムズの柱の一つにデジタルマーケティングが入ってきたことは、オムニチュアのビジネスがアドビ システムズの中で大きな役割を果たすことを象徴していると思います。
具体的に電子出版の事例では、従来のパブリッシング関連製品と、オムニチュアの測定を統合した新しいソリューションを提供できており、まさにカスタマーエクスペリエンスを一貫で提供できている好例です。
ちなみに、オムニチュア製品ではAdobe SiteCalalystを基盤にさまざまな製品群が構築されていますが、その中でも、直近で最もニーズの高い製品はAdobe Test&Targetです。
当社ではAdobe Test&Targetを含め、各種製品群でお客様の声を反映した改善を常に実行しています。全世界のお客様からの私たちへのフィードバックがさらにオムニチュア製品をブラッシュアップさせ、最終的にはマーケターの方々の強力な武器になっていきます。ぜひ日本からも多くのフィードバックを寄せてください。
