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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

IKEA Japanのソーシャルメディア担当者に聞く
愛されるTwitterアカウント運用の秘訣

人気キャラAnna誕生の裏側

Q. 日々の運用ツールと、使用用途について教えてください

Twitter
  • シースミック
    日々の運用に使っているツールです。HootSuiteなども試してみたが、無難でTL落ちもしないので採用しました。
  • ツイトラック
    フォロワーの属性などをざっくりと確認するときに使います。また、月次ですべてのツイートを抽出するときに使用しています。
  • ついろぐ
    フォロワー数の推移を見たり、アカウントの各種データを確認するときに使っています。
  • ツイポート
    特定の検索ワードを含むツイートを抽出するときに使っています。
Facebook
  • involver
    FacebookページでTwitterやYouTubeのページを作る際に使用しています。
  • Static HTML
    イベントページを作るときに使っています。
  • RSS Graffiti
    ブログとイケアジャパンニュースの更新情報を自動投稿するために使っています。

 現在はすべて無料ツールを使っていますが、Twitterクライアントに関しては、将来的に有料のものを使いたいと考えています。TwitterのコミュニケーションはOne to Oneの世界なので、特定のお客様と過去にどんなやり取りを行ったのかすべて記録しておき、コメントをいただいた際に、すぐに分かるようにしたいからです。今もできなくはありませんが、掘り起こすのは時間もかかるし、大変なので。ソーシャルメディアのいいところはお金をかけないでできるところだと思います。代理店に丸投げせず、手作り感も残しつつやっていきたいですね。

Q. 効果測定はどのように行っていますか?

 社内的に分かりやすいのは、やはりフォロワー数。Facebookに関しては自動フィードなので、まだあまり「いいね!」数は気にしていません。ブログもアクセス数をベースに、どの記事が一番クリックされたかを見るくらいで、詳細な分析はまだ行っていません。自動的に抽出できるレポートを、コンタクトセンターとして毎月提出している電話数などのレポートと一緒に出すようにしています。“組み立て方が難しい”といったお客様からの質問や意見に対する回答や社内へのフィードバック、フロアや他のユニットから依頼が来た内容の紹介などが主なミッションなので、あまり数値には縛られていません。

Q. ソーシャルメディアを始めてみて、変わったことはありますか?

 何よりもコンタクトセンターとして、お客様のポジティブな声が聞けるようになったのは、とても良かったことです。通常、受け身なコンタクトセンターがTwitterやブログを通して外に発信することで、活動が目に見えるようになり、社内からも「がんばってるね」と思ってもらえるようになりました。また、ストアにTwitterを見て来店されているお客さまもいて、店舗への誘導にも役立っているようです。

Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは実施していますか?

 昨年10月29日~11月3日の期間、千駄ヶ谷の一軒家を使って、すべてイケア商品でコーディネイトする「イケア サスティナビリティ ハウス」というイベントを行いました。その中で、“「イケアハウスなう #ikeanow」とツイートした人にソフトトイをプレゼントする”というキャンペーンを実施しました。年間の予算が決まっているわけではなく、プロジェクトベースでマーケティング予算の中に組み込む形をとっています。

サスティナビリティハウスの様子とAnnaのツイート
サスティナビリティハウスの様子とAnnaのツイート

Q. 目標としているゴールはありますか?

 ソーシャルメディアはお客様との絆を作るツールなので、いかにお客様の近くに行けるかが大切だと思っています。「より快適な毎日をより多くの方々に」というイケアのビジョンどおり、イケア的世界観を楽しんでもらえる人と繋がっていけたらいいなと思っています。

インタビューを終えて

 キャラクターを使ったTwitterアカウントの中でも、CRM目的で使用されている例はあまり見られません。Twitterというオープンな環境でカスタマーサポートをすることは、企業や担当者にとって最もリスキーなことだと思われがち。炎上しないよう神経を尖らせながら、慎重に当たり障りのない対応に終始しているところもよく見かけます。

 しかし、イケア・ジャパンのアカウントからは、Annaがフォロワーとのやり取りを、肩肘張らずに自然体で楽しんでいる様子が、しっかりと伝わってきます。カスタマーサポートのみならず、ブランディングにも大きく貢献していることでしょう。この絶妙なコミュニケーションセンスの裏側には、中山さんを始めとする担当者の方々の大きな愛がありました。ソーシャルメディアは、ファンとつながるプラットフォーム。会社・サービス・商品・ブランドを、担当者がまず愛していなければ、お客様から愛してもらえるはずがない、という当たり前のことに、改めて気付かせてもらいました。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/08/09 11:00 https://markezine.jp/article/detail/14145

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