「みんなのビジネスオンライン」は、中小企業が自社サイトを無料で作成できるサービス。日本国内の中小企業・個人事業主であれば、1年間無料で利用することができる。2年目以降継続する場合は、月額1470円の利用料金がかかる。
グーグルの調査では、日本の中小企業のうち約300万社がウェブサイトを保有していない。同社は、このプロジェクトを通じて中小企業のウェブ活用を広め、開始から1年で15万社の利用を目指している。
同サービスは、パートナー企業・団体との協力により、サイト制作だけでなく、サポートやセミナーによるノウハウの提供までを視野にいれている。各パートナーの詳細と役割は、次のとおり。
-
KDDI株式会社
同社のIT環境構築支援サービス「まとめてオフィス」による電話サポート -
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
サイト制作支援ツール「Jimdo」の提供 -
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
先進事例の推進、中小企業への浸透・展開 -
特定非営利法人 ITコーディネイター協会
全国で展開予定の中小企業向けセミナーの講師
提供される各機能・サービス
グーグルの調査では、中小企業のサイト作成の障壁になっている最も大きな理由がコスト、スキルなどであり全体の86%に及ぶ。この点を踏まえ、「みんなのビジネスオンライン」では、自社の情報発信やコマース機能を備えたサイトを「とにかく簡単に作れること」にこだわり設計されているという。サイト制作支援ツールとしては、KDDIウェブコミュニケーションズの「Jimdo」が採用されている。
登録・サイト開設にかかる時間はおよそ15分。サイトの作成や改変などは、「クリック&タイプ」のみで行うことができ、HTMLやサーバー/FTPなどの専門知識は必要ない。提供される主な機能は次のとおり。
- 業界別のWebサイトテンプレート
- 独自ドメインの無料取得
- メールマガジンの配信
- 検索エンジンへの最適化
- Eコマース用ショッピングカートと決済機能
- スマートフォンへの自動最適化
- フォトギャラリー/YouTube動画の組み込み
- 利用者向けセミナーや、登録時の電話サポート
テンプレートに関しては、プロによるデザイン・情報設計がなされた14業種84テンプレートを用意。コンテンツやデザインは、ユーザーテストを繰り返し行い業種ごとに最適化されているほか、サイト作成後にページ内にあらかじめ記載されているサンプル文章も、各社やコンサルタントによって選定された、そのまま使える文章になっている。管理画面も直感的に利用できるように意識されており、公開されているサイトと同じ見た目の画面上でクリック&タイプの操作だけで変更できるため、プログラミングなどの作業は必要ない。
Eコマース機能ではPayPalによる決済が可能。登録商品数は15点に限られているが、アップグレードすることで無制限にすることもできる。Web解析ツールである「Google Analytics」も標準搭載されており、サイト作成と同時に自動的に稼働し、タグの設置などの細かい設定を行う必要はない。また、各種項目を入力することで、検索エンジン向けの最適化を行うこともできる。
今回の発表に際し、グーグル代表取締役 有馬誠氏は、日本のインターネットの普及率・回線速度は世界一位になっているにも関わらず、ICTの利活用においては16位であるというデータを引用。「インターネット利用者は93%にも関わらず、24%の企業しかWebサイトを保有していない。インターネットで情報提供をしていないために、機会損失が発生している。中小企業の情報をオンライン化することでビジネスチャンスを広げ、日本の中小企業を元気にしたい」と語った。
今回の発表に並行して、中小企業基盤整備機構とも連係した支援事例の作成も進められいる。記者会見では先行事例として、伊豆諸島 神津島の各企業による活用事例が紹介された。作成された神津島のサイトは、「みんなのビジネスオンライン」内「みんなの物語」ページから確認できる。
2011/9/13 16:53 追記・修正
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