スマートフォンのメーラー事情
前回の記事では、当社で“iPhone/iPad”向けに最適化したメールマガジンのサンプルを紹介しました(第1回:スマートフォン向けEメールマーケティング最新動向 ― ユーザー傾向と実現可能なクリエイティブ)。
このサンプルは、“iPhone/iPad”に標準でインストールされている“メール(Mail.app)”という電子メールアプリケーションで表示した際に、違和感なく、指でタップしやすいように制作されたものです(以下、電子メールアプリケーションの総称をメーラーと表記)。
しかし、スマートフォンでは、Appleの提供する「iOS」以外にも、シェアが急拡大しているGoogleが提供する「Android」への対応も考慮しなければなりません。OSが異なれば、当然仕様も異なるため、メーラーでのメール表示のされ方にも違いが出てきます。そのため、スマートフォンに向けたEメールマーケティングを実施する際は、各OSにインストールされているメーラーを意識しておく必要があるのです。
それでは、ここで代表的なOS「iOS」「Android」搭載のスマートフォンのメーラーを整理します。下表の通り、スマートフォンの標準メーラーは、7種類に分類できます。
「iOS」のメーラーは、“メール(Mail.app)”と、“SMS/MMS”の2種類しかありません。
しかし、「Android」では、パソコンなどで利用しているPCメール(Yahoo!メール、Hotmailなど)・Gmailに加えて、「docomo」「au」「SoftBank」の各キャリアに標準でインストールされているSMS/MMSを受信できるメーラーがあります。そのため、合計で5種類のメーラーが存在します(※注1)。
スマートフォン端末によっては搭載されていないメーラーもあります。
今のところ「iOS」の“メール(Mail.app)”がHTML5やCSS3にも一部対応していて、最も表現豊かなメールマガジンを送ることができます。一方、その他のメーラーはCSSが利用できないものもあるため、同じメールを配信しても、受信者の環境によって表示のされ方が異なります。次節では各メーラーでの表示の違いを見ながら、それぞれの特徴を説明します。