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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine Day 2011

無印良品が仕掛けるソーシャルコマース最前線!
CtoCコミュニケーションの効果とは?


ソーシャルコマースサイト「my MUJI」について

 my MUJIは“持っているもの、ほしいもの、気になるもの。お気に入りのアイテムで誰かとつながる、無印良品とつながる。”をコンセプトに作られている。

 無印良品のネットストアと連動しており、ユーザーはひとつひとつのアイテムに対して“持っている”“ほしい!”というタグを付けたり、口コミ(コメント)を書いたりしながら、無印良品の商品を軸として、つながることができる。気になった商品をクリックすると、違和感なくネットストアに誘導され、そのまま購買できる仕組みだ。

 「無印ブランドを愛するユーザー同士がコミュニケーションをとり、再訪→商品に興味を持つ→購入までのフローを自然発生させるサイト作りを心がけた」と語る川名氏。my MUJIのポイントを次のように紹介した。

ポイント1:既にある「ソーシャルメディアの人間関係」を持ち込む

 my MUJIは、Facebook/Twitter/mixiのアカウントを持っていれば、認証作業だけで利用を開始することができる。従来サイトの会員登録のように、複数の個人情報を入力する手間がないので、登録が簡単だ。

 わずか4ステップの間に、各ソーシャルメディアでつながっている友だちの中から、すでにmy MUJIを使っている人をレコメンドされるので、友だちを簡単に見つけ出すことが可能だ。「既にあるソーシャルグラフを活用するので、参加してすぐにでも楽しむことができる」(川名氏)

ポイント2:“このアイテムの評価ってどうなんだ?”から“気になるあの人が気になるアイテムってなんだろう”へ

 検索というアクションは、“このアイテムの評価ってどうなんだ?”から始まる。しかしmy MUJIでは、気になるあの人が気になるアイテムをピンポイントで紹介してくれているため、検索や比較検討のフローを省略することができる。「こうした“人間関係のバケツリレー”を促進させる役割をmy MUJIは持っている」と川名氏は述べた。

 このように、ECサイトからアクセスした場合でも、友だちの中で誰が“ほしい!”と言っていて、誰が“持っている”のかを知ることができたり、友だち以外にも全部で何人の人が興味のある商品なのかがわかるようになっている。

 さらに、ネットストアの商品詳細ページに投稿された口コミは、my MUJIへ自動的に反映される。“全ての口コミ”と“友だちの口コミ”でフィルタリングできるので、ユーザーはより信頼性の高い情報を参考にすることが可能だ。“ほしい!”や“持っている”といった基本的にポジティブな感情とともに口コミを集められるところは企業にとって大きなメリットだろう。

ポイント3:情報を探すのではなく、情報は自分に流れてくる

 「これまでのプロダクト型では、自ら情報を探しに行かないと、出会えなかった。けれどもソーシャル型では、フォロワーの評価や情報がタイムライン形式で流れてくるようになる。サイトにアクセスするだけで情報に触れることができ、気づきが広がる」と語る川名氏。

 逆に、my MUJIを使いながら、口コミを他のSNSへ投稿することもできるので、my MUJIをまだ使っていないユーザーへ気づきを与えることも可能だ。my MUJIは、ブランドに愛着を持ったユーザーの熱を伝搬する、有効なハブにもなり得るということだ。

my MUJIの課題と新たな挑戦

 8月のリリースから約2ヶ月で、現在my MUJIの利用者数は数千人規模となっている。最も口コミ投稿の多いユーザーで、100コメント程度。1つのコメントにつき、6~7人のユーザーがネットストアへ来訪していることがわかった。この現状について川名氏は、「まだユーザー同士のコミュニケーションが活発に行われるまでには至っていない。そこが課題だ」と語る一方、活性化のために新たな施策を用意していると話した。

 「11月にはmy MUJIにゲーム的な要素のサービスを導入する。my MUJIでのアクションに応じてコインを付与し、ユーザーがmy MUJI上で無印の棚を作成できるようなものを考えている。加えて、リアル店舗でチェックインすることで、my MUJIにアクションが跳ね返る仕掛けも取り入れる予定だ。今後もこのようなオンラインとオフラインをつなぐ施策を積極的に行っていきたい」と語り、川名氏は講演を締めくくった。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/09/11 17:39 https://markezine.jp/article/detail/14563

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