デジタルマーケティングの最新動向が分かる一大イベント
ad:tech New York開催の1週間ほど前、ニューヨークに時期外れの大雪が降ったようですが、実際に我々が降り立った時には、コートがいらないほど暖かく、快適なカンファレンスウィークを過ごすことができました。
ad:techはご存知のようにデジタルマーケティングに関する世界最大規模のイベントです。中でもニューヨーク開催は本場アメリカの中でも、新しい考え方やサービスが発表されることが多く、来年の業界動向を占う上でも特別なイベントと言われています。また、サンフランシスコ開催に比べてもクライアント側の参加が多く、サプライヤー側の期待が否が応でも高まる、活気のある展示会です。
今回、私が注目したのは以下の3点でした。
- 成熟した感のある“ソーシャル”
- 高まりつつある“ビッグデータの活用”
- 実現されつつある、“モバイル+ロケーション・決済サービス”
11月9日朝のキーノートプレゼンテーションではFacebookの広告およびグローバル戦略担当役員のDavid Fischer氏が講演し、その夕方のキーノートではGoogle+のソーシャル広告の責任者Christian Oestlien氏が講演というセッティングはソーシャルへの注目度の高さの証明でしょう。個別セッションでも、ソーシャルに関するセッションが4コマ組まれていました。
ソーシャルがメインテーマではないセッションでも、ソーシャルを利用することの重要性が頻繁に語られ、その中でも“Shareworthy”という言葉が印象的でした。
“Shareworthy”は、「ソーシャルへフィードさせるならば、シェアする価値のあるコンテンツを!」もしくは「シェアする価値があれば、放っておいても拡散し、尻すぼみにならない」という意味として使われていました。シェアするプラットフォームが確立し、活用方法やコンテンツに感心が移ってきていることを象徴する言葉ですね。
ROIというテーマの中では、データマネジメントに関するセッションも行われました。新しい技術や方法論は見られなかったものの、運用面での課題やその解決方法などが話されていました。
モバイルについては、「常に持ち歩く通信端末」というだけでなく、ローケーションサービスやNFCを利用した決済サービスなど、“多機能端末としてのモバイルならではの使い方”についてその活用が始まっていることが複数のセミナーで発表されていました。また、LivingSocialなどのグルーポン系サービスや、O2O(Online to Offline、またはその逆)に絡めたモバイル利用なども目に留まりました。キーノート、セミナーセッションについては次回詳細にご報告いたします。