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イベントレポート

「8億人のつながりが価値を生む」 vs. 「質の高いつながりが価値を生む」 FacebookとGoogle、それぞれのソーシャル戦略


Google+ 「どうつながっているのかが価値を生む」

 夕方のキーノートでは、Googleのソーシャル広告の責任者であるChristian Oestlien氏による、Google+のマーケティング活用についてのプレゼンテーションが行われました。

 エントランスロビーの垂れ幕を見てもわかるように、今回Googleは、Google+についてのプレゼンテーションをメインに据えていました。

 Black Eyed Peasの派手なビデオから始まったプレゼンテーションの冒頭で、Christian Oestlien氏は「社交性は人間の基本行動そのものであり、ネットがその方法を変えた」と述べ、ソーシャルマーケティングにおける5つの課題と、その解決策としてGoogle+の機能を紹介しました。

 加えて、“+1ボタン”でキャンペーン効果の効率を図れるということ、ソーシャルグラフを用いたレコメンデーションは非常に信頼できる情報になるということ、「ビデオチャットでもっと会話を!」などという話もありました。また、Google+の主要な機能の1つ“サークル”については、企業/ブランド側としての利用方法について紹介しました。

 「企業が使う場合、顧客の属性によるセグメンテーションができるため、全員に同じメッセージではなく、それぞれのサークルに適した情報を流すこともできる。結果、より顧客とエンゲージメントをはかることが可能になる」(Christian Oestlien氏)

 今後、企業/ブランドのGoogle+利用が増えると思われますが、このサークルの利用方法はマーケッターにとっても感覚的になじみやすく、使いやすい機能になると感じました。

 次に、Google+ ripplesの分析機能について、実際の分析画面を見せながら説明されました。ripplesはソーシャル内での情報やコメント、リアクションがどのような経路で、どれくらいの時間で伝播していくのかを、ビジュアルで再現してみることができる分析ツールです。

 ソーシャル内での情報の伝播状況をビジュアル化することで、”情報のハブになっている人を見つける”、”情報の質による広がり方をチェックする”、といった点を把握することが可能です。その結果から、シーディングのやり方を変えるといった利用方法も考えられます。

 最後にChristian Oestlien氏は、ダライ・ラマとデズモンド・ムピロ・ツツ(注:南アフリカの平和運動家。ノーベル平和賞受賞)が、Googleが提供するビデオチャット機能であるhangoutsで会話するビデオを紹介しました。hangouts上でコミュニケーションを行う両氏の姿は、濃いコミュニケーションこそが世界を変えるきっかけとなることを印象づけるものでした。

対照的だったFacebookとGoogle+

 翌日、幸運にもad:techのコンテンツ責任者であり、全キーノートの司会を務めたBrad Berens博士との朝食会に参加することができました。そこでも話題になったのが、FacebookとGoogle+が対照的だった点です。

 Facebookはユーザーの多さとつながりやすさがサービスの拡大につながり、結果、ビジネスの面においても役立つ存在になるという点を強調していたのに対し、Google+はグラフの質(主にサークル)や、つながりの深さ(hangoutsやripples)を強調していました。

 現在の、それぞれの状況から見ると、このような表現をするしか無いように思えますが、もともとFacebookは、学生達のためのクローズSNSでそれが単純に拡大することで、存在感を高めてきました。一方、Googleはユーザーのさまざまな行動データを取得・分析することがビジネスのコアと言えます。こういった点から鑑みても、ソーシャルサービスに対する取り組みも、その背景を踏襲した発想なのかもしれません。それにしても、ripplesいじってみたいです。分析屋としての血が騒ぎます。

 さて、次回はその他の注目セッションについてレポートいたします。22日(木)公開となりますので、お楽しみに!

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この記事の著者

中川 斉(ナカガワ ヒトシ)

1968年生まれ/早稲田大学卒。

コンサルティングファーム・広告会社にて、統計解析・データマイニングを軸にしたマーケティングプランニング業務に従事。専門的なデータ分析のスキルと高度なマーケティングの知識・経験の両方をバランスよく持つ稀な存在であり、近年ではマーケティングテクノロジーの開発、利用啓蒙にも一...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/12/21 14:12 https://markezine.jp/article/detail/14803

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