アフィリエイト運用におけるリスク管理
最後の回では、「アフィリエイトに潜む落とし穴」ということで、「不正行為への対処」など、運用上のリスクについて少しご紹介したいと思います。
現在、アフィリエイト業界で大きな問題となっているのが「アフィリエイトサイトの不正行為」です。昔からありましたが、不正行為を指南する情報なども出回り、非常に広範囲で発生している現状があります。
不正行為による報酬詐取も問題ですが、不正取り締まりのための作業負荷が増してしまうのも悩ましいところです。不正対応に耐え切れず、アフィリエイト・プログラム自体を中止してしまうECサイトや、提携を法人はじめごく少数のサイトとのみに絞ってしまう企業もでてきています。
資料請求や無料会員登録を成果としたプログラムで「架空人物」大量発生
昔から定番の代表的な不正行為はこれです。家族・親戚名義での資料請求だけでなく、苗字にペットの名前をつけての請求や、住所電話番号を知っている友人・知人の名前で請求したり……などです。
また悪質なケースでは、情報商材を無料ダウンロードさせるのと引き換えに個人情報を入力させ、今度はその大量に集めた個人情報を使ってアフィリエイト経由での資料請求や見積もりなどを行い、不正に報酬を得るというケースもあるそうです。
完全にこの手の不正を防止することは難しいのですが、企業によっては「資料の到着確認を電話で行い、その確認をもって成果とする」という方法を採用しているところもあります。
物販でも架空注文/ポイント還元サイトを使った不正行為などが
従来、モノも動き支払いも発生するので不正は起こりにくいと考えられてきた物販ECサイトでも、成果承認のタイミングを把握しての不正行為が、数は少ないですが発生しているとの情報が入っています。
詳しく書くことは控えますが、成果承認タイミングと返品期限の隙間を突くものや、ポイント還元サイト経由で商品を購入し、ポイント付与後に返品・返金を受けるなどといったものです。
また実際に報酬は発生しないものの、自分のアフィリエイトリンク経由で架空の注文を大量に行うといったことも発生し、結果として企業側に無駄な配送コストを発生させるなどのケースも報告されています。
報酬率が高い化粧品トライアルセット等では、より深刻な不正も発生していることでしょう。