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あの先進企業に密着!第2回「リクルート」

マイ・ファースト・リクルート「進学カンパニー」の強み
40年蓄積した調査データを元に、業界を牽引する

高校生の進路にかかわるすべての人・団体に情報発信

 まずは、メディア事業について見ていこう。進学カンパニーが運営するメディアは、高校生向けの紙媒体『リクルート進学ブック』とWebサービス『リクルート進学ネット』、高校生の周辺にいる大人たち、つまり進路指導教諭、クラス担任教諭、保護者、それぞれに向けて編集された紙媒体『キャリアガイダンス』、そして大学・専門学校の経営層に向けた『リクルートカレッジマネジメント』がある。いずれも無料で、対象者が購読を申し込むと発行月に送付、もしくは営業担当者が直接届けてくれる仕組みだ。

 多くの媒体が創刊30~40年の歴史を持ち、かつては広告集に近かったというが、数年前からは業界分析や大学内キャンパスのレポートなどの特集記事が誌面を埋め、反響も大きいという。

媒体名 媒体ジャンル 読者ターゲット 発行
リクルート進学ブック 高校生 高校1年~3年生の進路選択時にあわせて発行
リクルート進学ネット Web 高校生 随時更新
大学の約束 高校生 年1回(市販誌)
キャリアガイダンス 紙(PDF、電子ブックあり) 高校の進路指導担当者 年5回 (2・5・7・10・12月)
クラス担任のためのキャリアガイダンス 紙(PDF、電子ブックあり) 高校のクラス担当者 年5回 (1・4・6・9・11月)
高校生の保護者のためのキャリアガイダンス 高校生の保護者 年1回(4月)
リクルートカレッジマネジメント 紙(PDF、電子ブックあり) 大学・専門学校の経営層 年6回(隔月刊、奇数月)

 学校選びの主体はあくまで高校生だが、その周辺の大人に対し、綿密な情報提供を行う理由について、小林氏は次のように説明する。

 「大人への第一歩とはいえ、対象となるのは未成年です。教師や親の意見に影響を受けるのはもちろん、最後は学費を出す保護者の承認が必要です。つまり、高校生の進路選択にかかわるステークホルダーは多く、それぞれが及ぼす影響はかなり大きいわけです」

 高校生の進路選択は、偏差値の高い大学に行くだけではない。とはいえ、その選択が人生に与える影響は大きく、偏差値以外の基準で選ぶにしても、相当に吟味する必要がある。高校生1人でできる決断ではない。できる限り情報を集め、吟味したい。高校教師や保護者は、提供側が驚くほどに情報に貪欲なのだ。

 同様に、進学してもらう側も情報を求めている。進学総研の調査によれば、10年後の受験生は今に比べて5万人も減ると見られている。一方で、大学進学率は過去20年間で25%から50%に上昇した。資格取得など、将来の就職に有利な学部・学科の人気も高まっているという。

 少子化で人数は減るがニーズは多様化する状況を、大学・専門学校の「経営」という視点から見て、もっとも危機感を募らせているのは、40代くらいの現場で活躍している教授や、職員だという。要望が多く寄せられたため、進学カンパニーでは『カレッジマネジメント』を電子書籍化した。

 「バックナンバーも含め、かなり多くの方にダウンロードいただき、嬉しく思っています。一時期、『リクルートは、紙をやるの?ネットをやるの?』といった声が聞かれましたが、媒体にこだわりはありません。情報を必要とされている方に、そのときもっとも適切な形でお届けしていくだけです」(小林氏)

 大学や専門学校向けにセミナーなども開催。大学改革や個性化によるブランディング、グローバル化などに積極的に取り組む事例も出てきているという。

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調査項目を統一してデータを蓄積 卒業後の進路との連携で活用幅広がる

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/12/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/14821

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