SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

あの先進企業に密着!第2回「リクルート」

マイ・ファースト・リクルート「進学カンパニー」の強み
40年蓄積した調査データを元に、業界を牽引する

調査項目を統一してデータを蓄積 卒業後の進路との連携で活用幅広がる

 高校生の進学にかかわるすべての人に、必要な情報を提供する。これを可能にするのが、1970年の創業から進学事業が蓄積してきた調査データだ。

 代表的なのは、高校生を調査対象とした「進学ブランド力調査」「高校生の進路選択に関する調査」だろう。進学情報を希望する数十万人もの高校生を対象にするなど、大規模な調査を労を惜しまず継続。自社のメディアにて、特集記事等の素材となるほか、大学の「知名度ランキング」「イメージランキング」など、キャッチーな切り口でプレスリリースも発行している。

 「たとえば、2010年の調査では、『志願度』の関東部門1位は明治大学、『知名度』は早稲田大学、『就職に有利』は東京大学、『おしゃれ』は青山学院大学といった具合です。こうしたデータは、広告制作やコンサルティングの参考になるのはもちろん、毎年同じ項目で取っているので、高校生の意識の変化を如実に把握できて興味深いですよ」(小林氏)

 実は、こうした比較ができるようになったのは10年前から。それ以前は、質問項目や調査対象が異なるなど担当者に依存し、データを蓄積するという意識は薄かった。それを統一したことで、過去データとの比較はもちろん、いまではキャリアや人材の研究機関である「リクルートワークス研究所」と連携し、大学生の進路との接続を検討している。

 「もちろん、大学は就職するためだけに通うものではありませんが、就職に有利な学部、教育機関の人気が高いのは確かです。大学・専門学校の方々には、こうしたデータを活用いただき、ブランディング等に活かしていただければと思います」(小林氏)

 このように、進学カンパニーが牽引する形で、「高校卒業後の進路」にかかわる人たちが変わりつつあるが、当然のことながら抵抗勢力も存在する。たとえば、教育という「聖域」に、データ分析やマーケティングなどを持ち込むこと、それを参考に迎合するのはいかがなものかという意見もあるのだ。しかし、それぞれの大学・専門学校の個性が際立ち、偏差値以外にも進路選択の基準が増えることは、教育機関にとっても、進学する高校生にとっても、しあわせなことではないだろうか。

 「リクルートは、高校、大学、企業を結ぶことができる唯一の企業として自負しています。だからこそ、それぞれの齟齬を可視化し、問題提起を行なうことで、より良いマッチングができるよう、『進学総研』は今後も積極的な調査研究を行い、発表していきたいと思います」(小林氏)

 高校生の進路と高等教育機関の今後を担うのはもちろん、マイ・ファースト・リクルートとしても、進学カンパニーのさらなる活躍が期待される。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
あの先進企業に密着!第2回「リクルート」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2011/12/21 08:00 https://markezine.jp/article/detail/14821

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング