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そのデザインちょっと待った!間違いだらけのWEBデザイン

「マーケティングはデータありき。クリエイティブにも裏付けのある提案を」─成果につながるWebデザイン


クリエイティブサーベイによってクリエイティブにロジックが

 ──実際にクリエイティブサーベイを利用していかがでしょうか。

 小林:これまでクリエイティブの評価は、弊社の担当制作ディレクターやお客様の主観的視点で評価されていましたが、生活者の客観的な視点での評価が加わる点に目新しさを感じました。

 実際にクリエイティブサーベイを使ってみるとビジュアルも新しい。サーモグラフィーやクリエイティブに対して、ポジティブな反応なのか、ネガティブな反応なのか、それはどんな理由なのかが読み取れますし、結果のビジュアルも好印象でした。弊社の制作ディレクター内でも好評で、客観的なデータをクライアント様と共有しやすいと思います。

クリエイティブサーベイは消費者意見をヒートマップを利用し視覚化。
消費者の大量意見を直感的に捉える事ができる
クリエイティブサーベイは消費者意見をヒートマップを利用し視覚化。消費者の大量意見を直感的に捉える事ができる

 ──クライアント様の反応はどうですか?

 小林:これまでクリエイティブサーベイによる調査結果を盛り込んだ提案を行なってきましたが、反応はどのクライアント様でも概ね良好です。特に、弊社のディレクターやクライアント様のご担当社様が主観的にジャッジしてきたデザイン面において、想定される来訪者の声を基に客観的に考察できる点は、非常に好印象をもたれているようです。また、私たちも、客観的な事実に基づいてデザイン提案ができるので、提案の訴求力がより上がります。

現状より良くする視点を忘れずに

 ──クリエイティブサーベイを今後どのように利用していきたいですか?

 もちろん、調査結果だけが全てではありませんから「ユーザーが欲しがっているモノと実際に買うモノが必ずしもイコールではないこと」も常に頭に入れておく必要があります。それを、頭の片隅に残しつつ“現状より良くする” ことにフォーカスした活用に意味があると思います。

 ゆくゆくは、企業ブランドや商品に対してのイメージやポジショニングを把握し、本当はこうゆうイメージ持ってもらいたいのにちょっと今ずれているからこうゆうデザインではないですか? という様な提案の可能性もあるのではないでしょうか。

 ──今後注力していくポイントを教えてください。

 弊社はデータの活用に強みを持っていますので、データとクリエイティブサーベイのような定性評価を組み合わせ、より生活者ニーズに基づいた提案をしたいと考えております。そのため、デザイン面においてもレスポンスを生みだすという視点が重要となります。

 ツールはデータを取得することが目的ではなく、改善したりもっと良くしていきたいという目的で利用しています。その目的を達成するためには、いろいろな垣根を越えたところで、連携を強化する必要があると思います。今後は、そういった点も含めて取り組んで行きたいと考えています。

まとめ

 トラフィック、滞在時間、広告効果、コンバージョン…。Webサイトを運営には様々な指標がつきものですが、サイトの目的によって定量的なデータだけで良い悪いを判断することが難しくなっています。また今後、デバイスの多様化と一元的なコンテンツ管理によってその判断軸はますます多様性を増していくでしょう。様々なコンテキストの中でユーザーがどういったシナリオを辿るかを見極める必要があります。

 ユーザーの定性意見を抽出するツールがフィードバックツールを含めて多様化している背景として、定量的なデータだけに頼るだけではユーザーのコンテキストを理解しきれないことが増えて来ているからです。そのため、フィードバックを含めたユーザーの定性意見に注目が集まっています。

 今回の事例では、クライアントの根本的な問題解決に近づくために、データを収集し、ビジュアル調査を活用しています。今後、ターゲティングやシナリオごとの最適化と水平的な施策が重要視される中で、マーケティング戦略に一貫性を持たせるためにはビジュアルも含めた調査検証プロセスを怠らない姿勢が必要なのではないでしょうか。

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この記事の著者

田口 亮(タグチリョウ)

慶応義塾大学経済学部卒業、音楽業界を経て FOURDIGIT Inc. 入社。

2008年、同社の取締役に就任。大手企業を中心にWEBサイト、ディレクション・クリエイションを数多く手がける。2010年より消費者の印象意見を短時間で抽出する「クリエイティブサーベイ」の事業運営に携わる。2012年、人間中心...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/26 15:01 https://markezine.jp/article/detail/15128

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