SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

そのデザインちょっと待った!間違いだらけのWEBデザイン

解析から導きだした仮説だけでは足りない─成果につながるWebデザイン


 今回は、アクセス解析データのみでページの良し悪しを判断することの問題点について解説します。

アクセス解析だけでは分からない

 Google Analyticsをはじめ、ほとんどのアクセス解析ツールはかなりの精度で数値をフィードバックしてくれるようになりました。簡単な操作でページ遷移の状況や特定のユーザーの行動を追うことも充分可能となり、今後はSNSといった新しいチャネルやスマートフォンなど新デバイス経由の解析も進むことで、Web経由のアクセス解析はより精緻になっていくでしょう。

 実際のプロジェクトでも通常のページの解析は当然として、キャンペーンページを作成する際に、どのイベント(マウスやキーボードなどのアクション)を仕込むのかを検討することも多くなりました。

 最近では、ページが全て読み込まれてからイベントを発生させるといった設定も可能なので、通信速度が与える影響なども数値化できます。もはやWeb上の行動であれば取得できないデータは、ほとんどないという状況となっているのです。

 それでは、アクセス解析ツールで取得できるデータだけで、ユーザーの全てを分析できるのでしょうか。その答えはNOです。

解析から導きだした仮説は正しいのか

 アクセス解析のデータを見ていると、当然ながら問題点を発見することがあります。例えば、重要なコンテンツにも関わらず想定以上に閲覧されていないなどです。その際の改善策は、コンテンツへの導線がボタンであるならば、ボタン文言の変更などが考えられます。ボタンの文言の変更を行うことで、数字上では改善されるケースがあるかもしれません。しかし、あくまでも仮説がたまたま結びついただけです。考え方を分解すると、次のような流れとなります。

  • 現象…コンテンツが見られてない
  • 原因(仮説)…ボタンの文言が分かりづらい
  • 対策…ボタンの文言を変更

 この場合、「ボタンの文言が分かりづらい」が想定以上に閲覧されていないことの原因でなかったら、施策を実施しても成果は出ません。そのため、現象にあたる「コンテンツが見られていない」原因がなんなのか、何故その数字になるのか、ということはいくらアクセス解析上の数字を見ても分からないケースも多くあります。

 また、経験やヒューリスティックなどの検証によって、仮説は立つかもしれないですが実際は必ず成果が出るという訳ではありません。「コンテンツが見られていない」という現象に対する意味を、数字だけを見て判断するのは非常に難しいことが多いのです。

マーケティングには様々な調査手法がある

 アクセス解析の結果だけでは分からないこと、それはユーザーの感性や印象の部分です。解析で得られる定量的なデータは何人のユーザーが離脱したのかは教えてくれるますが、なぜ離脱したかは教えてくれません。

 そんな時は定性データ、つまりユーザーの感性データを収集することが有効です。主観的になりがちなプロジェクトメンバーでなく、ユーザーやターゲット層の客観的な意見を集合させることで非常に有益な情報となります。

 定性調査は、ユーザーテストでのインタビュー、またはフィードバックツール、ソーシャルの声を集めるツール、弊社の運営するクリエイティブサーベイなどがあります。定性意見を抽出するとユーザーが持つ「印象」「ニーズ」「インサイト」がより深く見えてきます。数を集めることが重要で、その傾向を測ることもできます。

 ユーザーが来訪した瞬間に「何か違った」と思って、重要なコンテンツが重要でなくなっているかもしれません。隣のコンテンツがよく見えていて、埋もれてしまっているかもしれません。

 本当はこちらが望んでいるニーズがそもそもないのかもしれないし、想定しているユーザーが集客できていないかもしれない。といった、さまざまな可能性が潜んでいます。このように、定性調査によってアクセス解析だけで見えない部分を相互的に補って行くことが可能となるのです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
定性意見を収集することでより効果的なデザインへ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
そのデザインちょっと待った!間違いだらけのWEBデザイン連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

田口 亮(タグチリョウ)

慶応義塾大学経済学部卒業、音楽業界を経て FOURDIGIT Inc. 入社。2008年、同社の取締役に就任。大手企業を中心にWEBサイト、ディレクション・クリエイションを数多く手がける。2010年より消費者の印象意見を短時間で抽出する「クリエイティブサーベイ」の事業運営に携わる。2012年、人間中...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/10/26 15:02 https://markezine.jp/article/detail/15484

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング