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あの企業のソーシャルメディア担当者に聞きました!

フィリップスのソーシャルメディア担当者に聞く、グローバル企業ゆえの苦悩とソーシャルブランディング成功への道程

短期的な見方ではなく、長期的にエンゲージメントを高めていくこと

Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは実施していますか?

高橋:シェーバーの「アクアタッチ」というシリーズでモニターキャンペーンをしました。10名の当選者の方にアクアタッチを試してもらい、その使用感をFacebookページに投稿してもらうキャンペーンです。お客さまのリアルな声を拡散することができるので、モニターキャンペーンはFacebookだからこそ効果があるものだと思います。人によって、すごく丁寧な投稿だったり、シンプルな内容だったりするところが、リアルで良かったですね。

今後、同様のキャンペーンを電動歯ブラシでもやりたいと思っています。こういったキャンペーンの予算は、オンラインのマーケティング費用の内訳のひとつとして、年間で確保しています。

モニターキャンペーン開催時のWelcomeページ
モニターキャンペーン開催時のWelcomeページ

Q. 効果測定はどのように行っていますか?

高橋:Facebookページに対する「いいね!」の厳密な数は重視していませんが、インサイトを使って、ポストに対するいいね!・シェア・コメントなどユーザーのアクションの割合には注目しています。Facebookと製品ページとのつながりを見たいときは、グローバルで導入しているアクセス解析ツールで見るようにしています。

Q. お二人のオススメの情報源について教えてください

森迫:ソーシャルメディアマーケティングにはあまり関係ないかもしれませんが、昨年の暮れに出版された糸井重里さん監修の『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』(日経BP社)はおもしろかったです。60年代のアメリカのバンドが、フリーミアムやシェアを体現していて、当時から今の時流は真理としてあったのだなと思いました。

高橋:たくさんの本を読みましたが、一番インパクトが強かったのは『ソーシャルメディア炎上事件簿』(日経BP社)です。事例がたくさん載っているだけなのですが、ソーシャルメディアを運営しようと思った段階で読み始めたので、「これは気をつけなきゃ」とか「うちでも起こるかもしれない」という目線で読めたので、心の準備ができました。人によっては読んだら怖くなって、やりたくなくなる人もおそらくいるでしょうけど、むしろそういう事例をたくさん知って、備えておいた方がいいと思います。

Q. 目標としているゴールはありますか?

高橋:あまり短期的な目線では見ておらず、長期的にエンゲージメントを高めていくことが今の目標です。Facebookはまだ日本国内全体で利用人数が多いわけではないので、現在使っているのはオンラインのリテラシーが高いデジタルインフルエンサーの方々だと思います。その人たちにロイヤリティの高いファンになってもらうことで、まだFacebookを使っていない人たちにも私たちのブランドや製品を広めてもらえる状態にすることが、最終的に目指すところです。

インタビューを終えて

 ユーザーの生の声が拡散されるソーシャルメディアでは、企業のひとつひとつの行動がブランドイメージに大きな影響を与えます。つまり、企業にとってソーシャルメディアは、ブランド価値を左右する重要な鍵。多くのユーザーと接点を多く持ち、長期的な関係を築こうとすればするほど、チャンスもリスクも増えることになるでしょう。

 その課題をグローバルレベルで解決するためにフィリップスがとった戦略は、本社主導による「アカウントの統廃合」と「ガイドラインを活用したコミュニケーションの統一化」でした。無料で誰でも簡単に始められるからといって、効果的な運用を継続させることは容易なことではありません。ソーシャルメディア活用に必要なものは、担当者の覚悟や忍耐力などではなく、顧客に対する全社的な意思統一なのではないでしょうか。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/02/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/15171

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